history archeology

フェニキア秘伝の失われた「ロイヤルパープル」を再現することに成功! 王族にのみ許された紫色とは (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.07.29 Wednesday

前ページ3000年以上前のフェニキア秘伝の製法

<

1

2

>

貝紫色の再現に成功!1グラムで4000ドルに

ヌイラさんが、貝紫色の再現を始めたのは2007年のことでした。

ある日、地元のビーチで、青紫の体液を出している貝を見て、学生時代の世界史の授業を思い出したといいます。「カルタゴでは、貝を紫色の原料に使っていたが、そのレシピは残されていない」と聞いていたことから、謎を解いてみようと考えたそうです。

「とはいっても、最初はどこから手をつけていいのか見当がつかなかった」とヌイラさんは話します。染色の専門家や化学、歴史、考古学者に聞いても、製法のヒントはつかめませんでした。

そこで地元の漁師から大量の貝を買って、自宅のキッチンで地道に研究を重ねます。

画像
Credit: FETHI BELAID

数年におよぶ努力の末、ついに貝紫色の再現に成功したのです。

その製法は次の通り。

まず、貝をよく洗い、種類とサイズを選別して、選んだ貝の殻の上部を慎重に崩します。その後、中の腸を取り出し、酸化させると、貝紫色の染料の出来上がりです。

画像
Credit: FETHI BELAID
画像
Credit: FETHI BELAID

ヌイラさんの話では、たった1グラムの染料を得るのに約100キロの貝を必要とし、その作業には丸4日かかるそうです。

しかし、ヌイラさんの作った貝紫染料は、研究者やコレクター、画家の強い注目を引き、現在では「1グラム2800ドルから、時には4000ドルという高値で買われることもある」といいます。

ヌイラさんは「フェニキア、そして私たちの祖先であるカルタゴ人の製法を復活させることができて非常に嬉しい」とした上で、「この製法が失われないよう、今度は次の世代に伝えていきたい」と話しました。

reference: ancient-origins / written by くらのすけ

「最も純粋な青」新しく発見された青色「インミンブルー」は通販で購入できる

吸い込まれそう。光吸収率99.2%の水性アクリル塗料「黒色無双」がAmazonで販売開始

<

1

2

>

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

歴史・考古学のニュースhistory archeology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!