- 遠近両用コンタクトレンズが、子どもの近視の進行を遅らせることが判明
- 近視は、眼球が後方に成長して、光の焦点が網膜の手前に移ることが原因
- 遠近両用のレンズは、光の焦点を手前に矯正することで、目の成長を遅らせていた
アメリカ国立衛生研究所(NIH)の一部、国立眼病研究所(NEI)は、11日、遠近両用コンタクトレンズに子どもの近視の進行速度を遅らせる効果が認められたと発表しました。
遠近両用コンタクトは、近視と遠視の両方に対応したレンズであり、一般には大人の視力矯正に用いられます。
近視は、後年における白内障、緑内障、網膜剥離の発生リスクを高めるため、子どもの内から視力を健康に保っておく必要があります。
研究主任のジェフリー・ワリン氏は「小さな子どもがコンタクトレンズを装着することに問題はなく、遠近両用コンタクトは安全な視力矯正法となるでしょう」と話しました。
「近視」はなぜ起きる?
近視の原因は、発育中の子どもの眼球が後ろに伸びてしまうことにあります。
通常、眼球は、目の奥にある「網膜」に光を集めることで物や景色が見えるようになります。
ところが、眼球が後ろに伸びることで、外から入る光が網膜の手前で結像してしまいます。これが「近視」の状態です。近くのものは明瞭に見えますが、遠くのものはボヤけてしまいます。
この近視矯正のために使われるのが、一般的なメガネやコンタクトレンズです。
しかし、普通のメガネやコンタクトは、光の焦点を後ろに向かって矯正するため、逆に目の後方への成長を促してしまいます。
これでは視力の一時的な矯正はできても、根本的な問題は解決できません。