ついに発見!野生種は遺伝子が違っていた?
野生では完全に絶滅したと考えられていましたが、2016年に、ニューギニア島の最高峰である「プンチャック・ジャヤ山」の高地で、15頭の野生種(ハイランド・ワイルド・ドッグ)が確認されたのです。
その見た目は、驚くほどニューギニアン・シンギング・ドッグと似ていました。
続く2018年には、3頭の野生種から血液サンプルを採取し、飼育下のニューギニアン・シンギング・ドッグとDNAを比較しました。
その結果、2種は遺伝子的にもほぼ一致していたのですが、長期間にわたり異なる環境で暮らしていたことから、わずかなズレも見られたとのこと。
研究主任のハイディ・パーカー博士によると、これは保護種が近親交配で増えたことが主な原因であるとのことです。そのせいで、保護種の遺伝的な多様性は失われており、それが種の存続を脅かしていました。
ところが、今回見つかった野生種には保護種が失ったゲノム配列がまだ含まれていたため、2種を交配させることで安定した種の存続が期待できるそうです。
ただ最初のうちは、ニューギニアン・シンギング・ドッグも野生種のワイルドさに面食らうかもしれませんね。