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Credit: New Guinea Highland Wild Dog Foundation
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サイレンのような遠吠え。絶滅したはずの「ニューギニアの歌う犬」が約50年ぶりに野生で確認される

2021.01.27 Wednesday

2020.09.02 Wednesday

およそ50年前に、野生では絶滅したと思われていた「ニューギニアン・シンギング・ドッグ」が、原産地のニューギニア高地で生き残っていたことが判明しました。

現生するニューギニアン・シンギング・ドッグは、基本的にすべて人の手で保護・繁殖されたもので、数百頭ほどが残っています。

8月31日付けで『PNAS』に掲載された研究では、発見された野生種と保護種は、長年の生息環境の違いで、遺伝子的にわずかな違いが見られたとのことです。

野生種は、保護種と差別化を図るため、「ハイランド・ワイルド・ドッグ」と呼ばれています。

研究は、アメリカ国立ヒトゲノム研究所、インドネシア・センデラワシ大学により報告されました。

zmescience https://www.zmescience.com/science/rarest-dog-breed-in-the-wild-0243532/ , phys https://phys.org/news/2020-08-discovery-ancient-dog-species-human.html

世界唯一の「歌う犬」?

ニューギニアン・シンギング・ドッグが、学術的に初めて調査されたのは1897年のことです。

名前が示すように、独特な発声方法で鳴くことから「歌う」と呼ばれています。発声の個体差がかなり激しいため、数十頭で集まって吠えると、音程が違って合唱のように聞こえるとか。

単体でも普通の犬にはないサイレンのような鳴き声が聞けます。

また、ニューギニアン・シンギング・ドッグは、犬の中でも非常に古い犬種であり、オオカミと家畜化された犬の間に位置する「ミッシングリンク」とも言われます。

しかし、初めての調査依頼、数が著しく減少し、1970年代以降、野生で確認された例はありません。

今日見られるのは、ニューギニアからアメリカに持ち込まれた8頭のシンギング・ドッグを繁殖させたもので、全部で300頭くらい現存しています。

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