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ヴィンデビーI/Credit: ancient-origins
history archeology

湿地に眠る2000年前の美しきミイラ「ヴィンデビーI」の正体は?性別、死因、出自全てがナゾのまま…

2021.01.27 Wednesday

2020.09.05 Saturday

湿地遺体(Bog body)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは泥炭地(ピートボグ)に埋まって自然にミイラ化した遺体を指し、泥に覆われていたことで酸化や腐敗が防がれ、保存状態が異常に良いのが特徴です。

これまで北欧を中心に数百体の湿地遺体が見つかっていますが、中でも謎に包まれているのが「ヴィンデビーI」です。

ヴィンデビーIは、遺体の状態の良さとは裏腹に、性別や死因、出自について今でも意見が錯綜しています。

ここでは、ヴィンデビーIの謎を追った苦闘の歴史を見ていきましょう。

ancient-origins https://www.ancient-origins.net/history-famous-people/star-crossed-lovers-criminals-or-strangers-mystery-windeby-bog-bodies-007615

「ヴィンデビーI」は男性?女性?

ヴィンデビーIは、1952年に、ドイツ北部・シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の町ヴィンデビーで発見されました。

地元住民が、湿地から泥炭を切り出していた際に偶然出土したそうです。

横たわった遺体は、つい最近亡くなったような状態の良さですが、年代測定では紀元前41〜紀元後118年頃のものと推定されています。

発見当初、ヴィンデビーIは14歳の少女の遺体とされ、「ヴィンデビーガール」と名付けられました。

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少女を想定して復元された「ヴィンデビーI」/Credit: ancient-origins

ところが、2007年に行われたDNA解析の結果、男性である可能性が示唆されています。細身な見た目から女性と推察されていましたが、遺伝子が出した答えは男性でした。

しかし、これもまだ断定的ではなく、性別の問題には完全な決着がついていません。

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