観測されたへびつかい座の分子雲密集領域。バツ印の位置がIRS 63原始星。
観測されたへびつかい座の分子雲密集領域。バツ印の位置がIRS 63原始星。 / Credit:MPE/D. Segura-Cox, Herschel data from ESA/Herschel/SPIRE/PACS/D. Arzoumanian
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太陽は母ではなく兄弟だった?惑星は恒星誕生よりも前から形成されていた可能性あり

2021.01.27 Wednesday

2020.10.10 Saturday

観測史上、最年少となる原始星が発見されました

「IRS63」と名付けられたこの星は、誕生してまだ50万年未満で、まさに赤ちゃん太陽というべきものです。

そしてこの生まれて間もない星の周りには、さらに驚きの発見があったのです。

10月7日に科学誌『Nature』へ掲載されたマックス・プランク地球外物理学研究所のチームによる論文によると、この原始星の周りで、すでに惑星形成がかなり進んでいる痕跡が見つかったのです。

この結果は、原始星が誕生する以前から、惑星の形成もすでに始まっている可能性を示唆しています。

MPE https://www.mpe.mpg.de/7508431/news20201007?c=260760 , sciencealert https://www.sciencealert.com/these-are-the-youngest-baby-planet-structures-we-ve-ever-seen

赤ちゃん太陽と原始惑星

ALMAが撮影したIRS63原始星を取り巻く若い惑星形成ダストリング。
ALMAが撮影したIRS63原始星を取り巻く若い惑星形成ダストリング。 / Credit: MPE/D. Segura-Cox

今回観測された非常に幼い原始星「IRS 63」は、地球から約470光年離れた「へびつかい座ρ星(ろーせい)」の星形成領域で見つかりました。

推定された星の年齢は50万歳未満で、その周囲には塵とガスによるダストリング(厚い円盤)が出来上がっています。こうした星形成過程の初期段階の天体は、クラスⅠ天体と呼ばれます。

「IRS 63」は、これまで見つかってきたクラスⅠ天体の中でも半分未満の年齢で、星の最年少記録といえるものです。

若い恒星の周りに形成されるダストリングでは、塵やガスがくっついて太陽系のように惑星たちが形成されていきます。

惑星の形成についてはまだ未解明な部分が多く、この非常に若い太陽の発見は、惑星形成の謎を解き明かす鍵になると期待されているのです。

次ページ惑星形成の証拠となる円盤の隙間

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