同性カップルの子どもは学校で好成績を取る傾向あり!? 「愛」さえあれば、子どもの成長に”両親の性別は関係しない”と判明

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オランダでは同性婚が認められてから25年が過ぎている
オランダでは同性婚が認められてから25年が過ぎている / Credit:depositphotos

ゲイやレズビアンの両親に育てられた子供は学力的に優秀になるようです。

9月28日に『American Sociological Review』に掲載された論文によれば、産まれた直後からずっと、同性の両親の元で育てられた子供たちの学業成績は、男女の親に育てられた子供たちよりも高くなる傾向があるとのこと。

いったい同性夫婦と異性夫婦の子育ての差とは何なのでしょうか?

同性の親に育てられた子供たち

同性の間で育てられる子供は世界中で増加している
同性の間で育てられる子供は世界中で増加している / Credit:depositphotos

オランダでは1995年から同性婚が認められ、既に多くの子供たちが同性の親の家庭で育てられています。

そこでオックスフォード大学で社会学を学ぶ研究者たちは、同性の親が子供の教育にどのような影響を与えるかを調査することにしました。

対象となったのは同性の親に育てられた約3000人の子供たち(ゲイカップルの子供185人とレズビアンカップルの子供2786人)です。

これらの子供たちは、体外受精や代理母を通した出産の他に、養子縁組によって同性カップルの元で産まれた直後から育てられてきました。

これまでにも同性の親の教育に与える影響が調べられてきましたが、両親の離婚や別居後に、新たに同性の親を持つようになったケースが多く含まれており正確性に疑問がありました。

というのも、両親の離婚や別居は子供の学業成績に強く悪影響を与えることが判明していたからです。

ですが今回の研究では、産まれた直後から同性の親の元で育てられてきた子供を調査対象としていて、同性の親の影響をより明確に測定することが可能になっています。

いったいどんな結果が得られたのでしょうか?

同性の親は子供を優秀にする

なぜ同性の親を持つと子供が優秀になるのだろうか?
なぜ同性の親を持つと子供が優秀になるのだろうか? / Credit:depositphotos

研究者たちがデータの分析を行った結果、同性の親に育てられた子供たちの初等教育の成績は、異性の親に育てられた子供たちに比べて、標準偏差にして最大で0.18ほど高かったことが判明します。

この数値は、子供が優秀な教師に出会った場合(0.32標準偏差上昇)の半分以上の影響であり、かなり大きな差と言えるでしょう。

さらに同性の親の子供たちは中等教育においても異性の親の子供たちの成績を上回り続け、中等教育をドロップアウトすることなく、正常に卒業できる可能性も6.7%ほど高くなりました。

ここで気になってくる問題は「なぜ両親の性別によってそのような差が生まれるのか?」です。

強く望まれて生まれてきた子供たち

妊娠したからしょうがなく結婚する親との差は大きい
妊娠したからしょうがなく結婚する親との差は大きい / Credit:depositphotos

同性の親を持つ子供が優秀になる原因を調べるにあたり、研究者が最初に目をつけたのは、親の社会的・経済的地位でした。

というのも、異性の親を持つ子供に比べて、同性の親を持つ子供は高い経済的地位を享受している傾向があったからです。

そのため研究者たちは第一の要因として、子供に対する十分な投資を挙げました。

ただ興味深いことに、両親の社会経済的なを変数を取り除いた場合でも、同性の親を持つ子供の優秀さを完全に削除することはできなかったそうです。

この結果は、子供たちの優秀さの背景には単なる豊かさ以外の何かが存在していることを示唆します。

その、見えない要因として、研究者は子供を得る過程に着目しました。当然ながら、同性の親同士では自然に子供が産まれません。

そのため子供を得るには養子縁組や体外受精、代理母との契約といった、複雑な手続きや高額の費用が必要となります。

しかしこのような過程を経ることが結果として、望まれない子供が産まれる可能性を防ぎ、得られた子供に対するプライスレスな愛情の投資を可能にしたと、研究者たちは結論しました。

第二の要因は、子供に対する愛情だったのです。

強く望まれて産まれてきた子供たちは、両親がそれほど経済的に豊かではなくても、学業に集中できるような家庭環境になりやすいのでしょう。

子供に必要なもの

強く望まれて産まれた子供には大きな愛情が注がれる
強く望まれて産まれた子供には大きな愛情が注がれる / Credit:depositphotos

今回の研究によって、子供の成長に重要なのは両親の性別よりも、強く望まれ、愛情を注がて育ったかどうかであることが示唆されました。

しかし研究者は最後に警鐘も鳴らしています。

今回の研究では同性の親の影響をより明確にするため、産まれながらに同性の親を持つ「望まれた子供たち」が調査対象になりました。

ですが現実に同性の親を持つケースには、離婚や別居を経て、親が新たに同性のパートナーと結婚することもあるでしょう。そのようなケースでは、必ずしも経済や家庭環境が恵まれているとは限りません。

今後、日本でも同性婚の議論が盛んになるかもしれませんが、本人たちの権利以外にも、子供たちの未来についても考える必要がありそうですね。

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