人類は「完璧な農場」を作ることができるのか? 再び農業革命を起こすために必要なこと

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最先端技術を用いた未来の「完璧な農場」
最先端技術を用いた未来の「完璧な農場」/Credit:TED-Ed

農業は人が食料を得るために必要不可欠です。しかし現在、人口増加と環境悪化によって、農業のあり方を改善する必要が生じています。

YoutubeチャンネルTed-Edは将来作るべき「完璧な農場」のあり方と移行するための方法をアニメーション『Can we create the “perfect” farm?』で解説しました。

人類は2回目の農業革命が起こすべき

大昔、人類は農業を始めました。

最初の農業革命
最初の農業革命/Credit:TED-Ed

この最初の農業革命は、人々の定住・建設・創造を可能にした歴史のターニングポイントであり、これによって文明の存在が可能になったとも言えます。

そして現在、私たちは「将来増加していく人すべてに健康的な食物を与える」という課題を抱えています。

この課題を解決するには2回目の農業革命が必要とのこと。

最初の農業革命は、農場の拡大とそれに伴う森林、野生動物の搾取が特徴となっていました。人々を養うために環境を犠牲にしてきたのです。

従来の農業は環境を犠牲にして食物を得る方法だった
従来の農業は環境を犠牲にして食物を得る方法だった/Credit:TED-Ed

私たちが目標とする2回目の農業革命には1回目とは全く異なるものが求められます。「生物の保護」「水の節約」「温室効果ガスの削減」「既存農地の長期的な生産量アップ」を同時に成し遂げなければいけないのです。

これはつまり「完璧な農場」を求めていることになります。

最新技術を用いた未来の「完璧な農場」とは?

では将来作るべき完璧な農場とはどのようなものでしょうか?

まず、農場は家畜や野生動物の生息地が絡み合う場所に繊細な仕方で作られます。従来のように環境を破壊して農場を作るのではなく、農地と自然環境の共存を目指すのです。

農場と自然環境の共存を目指す
農場と自然環境の共存を目指す/Credit:TED-Ed

さらに、最新科学技術が利用されるべきでしょう。ドローンによって農場が監視されます。

ドローンによる監視。センサーによる情報収集
ドローンによる監視。センサーによる情報収集/Credit:TED-Ed

また作物の状態を知るセンサーも採用され、情報が集められます。農場を移動するロボットが情報に基づいて適切な水と肥料を与えるようになるのです。

これによって水と肥料を削減でき、無駄に環境を汚染することもありません。

適切な量の水と肥料を与える
適切な量の水と肥料を与える/Credit:TED-Ed

この未来の農場を作るには、まず大規模な農場をもつ生産者たちが、資金を投資して環境重視の科学技術を確立させなければいけません。これには時間がかかるでしょうから、すぐにでも取り組むべきでしょう。

世界各地で行われている低コスト農法

では、大規模農家が科学技術に投資している間、世界各地の小規模農家はどんなことを行なうべきでしょうか?

現在既に行える「低コスト農法」は、未来の農場と同じ目標を達成できるため、彼らはまずこちらにアプローチすべきです。

そして、世界各地では既にこの低コスト農法が実践されています。いくつかの例を取り上げてみましょう。

コスタリカでは、農民が農地と熱帯生息地帯をうまく結びつけています。

コスタリカでは、農地と自然環境が共存している
コスタリカでは、農地と自然環境が共存している/Credit:TED-Ed

これにより、野生生物への食物と生息地の提供、自然な受粉、害虫駆除を可能にしており、地球の環境を回復しながら食物を生産できています。

またバングラデッシュ、カンボジア、ネパールでは、米生産への新しいアプローチが取られています。

米の90%以上は大量の水を使用する水田で作られますが、これにより排出されるメタンは世界の年間メタン排出量の11%にもなります。

米の品種改良が温室効果ガスを減らし、収穫量を増加させている
米の品種改良が温室効果ガスを減らし、収穫量を増加させている/Credit:TED-Ed

しかし現在、これに対処するために新種の稲が作られており、温室効果ガスの排出量を減らしつつも、収穫量を増やすことに成功しています。

さらにインドではインフラが不十分だったために、収穫後の食料の40%が失われてきました。

インドでは太陽電池を利用した冷蔵カプセルが各地で設置されている
インドでは太陽電池を利用した冷蔵カプセルが各地で設置されている/Credit:TED-Ed

これに対処するため何千もの農家は、農作物の保存を可能にする「太陽発電の冷蔵カプセル」を実装し始めました。

作物すべてを有効活用できるようになっているのです。

これまでにない世界規模の協力が必要
これまでにない世界規模の協力が必要/Credit:TED-Ed

さて、人類が目指すべき2回目の農業革命は「大規模農家の科学技術への投資」と「小規模農家の低コスト農法」の先にあります。

このビジョンに従って食糧生産を最適化していくなら、環境を保護しつつ、増える人類を養うことができるでしょう。

ただし、そのためにはこれまでにないほどの世界的な協力が必要なのです。

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