重度の脳障害を負った男性が睡眠薬で覚醒状態になる
重度の脳障害を負った男性が睡眠薬で覚醒状態になる / Credit:Science Direct(Cortex)
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重度の脳障害患者が「睡眠薬」によって、逆に”意識を取り戻す”事例が報告される (3/5)

2021.01.28 Thursday

2020.10.23 Friday

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睡眠薬が効いている間だけ覚醒できる

睡眠薬が効いている間だけ男性は覚醒できる
睡眠薬が効いている間だけ男性は覚醒できる / Credit:depositphotos

ゾルピデムは即効性のある睡眠薬である一方で、効果時間が短いことが知られています。

そのためリチャード氏の精神的能力の上昇は一日につき1,2時間が限度であり、ゾルピデムの効果が切れると再び、チューブなしでは生きられない無動無言状態に陥りました。

彼は「睡眠薬が効いている間しか自分を取り戻せなかった」のです。

さらに治療が進むにつれて、医師は薬の効果が低下し始めたことに気付きました。

以前と同じ状態に回復するには、より多くのゾルピデムの投与が必要になり、それでいて効き目や持続時間も次第に弱く、短くなっていったのです。

次ページ原因は脳の過活動

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