熱いシャワーの後、寒いバスルームに出たら”呼吸困難により倒れた”男性。 いったいなぜ?

熱いシャワーのあと男性は呼吸困難を起こした。
熱いシャワーのあと男性は呼吸困難を起こした。 / Credit:Depositphotos

人によって、世の中のさまざまなものにアレルギー反応が現れることがありますが、寒さに対して起きるアレルギー反応を知っているでしょうか?

10月27日に査読付きの医学系科学雑誌『The Journal of Emergency Medicine』に発表された研究では、熱いシャワーから寒いバスルームに出た男性が呼吸困難で倒れたという症例について報告しています。

これは寒冷蕁麻疹(かんれいじんましん)として知られる寒さに対するアレルギー反応が原因で、アナフィラキシーショックを引き起こしたことが原因だといいます。

>参照元はこちら(英文)

バスルームで呼吸困難を起こした男性

バスルーム。
バスルーム。 / Credit:pixabay

医学の科学雑誌に報告された男性は、冷えたバスルームで呼吸困難を起こして倒れているところを家族に発見され病院に運び込まれました。

彼は大量の汗をかき、皮膚が蕁麻疹に覆われていてアナフィラキシーショックとして知られる全身アレルギー反応を引き起こしていました。

家族の話によると、彼は以前も寒い日に蕁麻疹が出るという経験をしていたといいます。

男性はエピネフリンと酸素の投与で一命を取り留め、その後の診断で医師により寒冷蕁麻疹と診断されました。

寒さで起きるアレルギー反応

アレルギー性の皮膚反応。
アレルギー性の皮膚反応。 / Credit:Depositphotos

水温の低い日にプールや海で泳いだ後、体に蕁麻疹ができる人が稀に存在します。

これは寒冷蕁麻疹と言われる寒さに対するアレルギー症状です。

アレルギーというと、大抵は大豆、小麦、魚などを代表とするように食べ物が原因になったり、スズメバチの毒などを体内に取り込むことで発症するイメージがあります。

しかし、実際はそれだけではなく温度の変化など物理的な刺激によっても、アレルギー反応は引き起こされることがあるのです。

アレルギーの原因はヒスタミンという化学物質です。

体の免疫系が危険なものを検出した場合や細胞を損傷した場合、特定の白血球と組織細胞がヒスタミンを放出します。ヒスタミンが受容体と結びつくと、そこで血流の増加などの炎症反応が引き起こされます。

これは本来、その部位に免疫細胞やタンパク質を集め、損傷した細胞や組織の回復を促進するためのものですが、過剰反応が起きると重篤な症状を引き起こすアレルギー症状になってしまいます。

こうした反応が寒さで起きてしまうのが寒冷蕁麻疹なのです。

ひょっとして自分は寒冷蕁麻疹?

食べ物のアレルギーは警戒している人も多いでしょうが、寒さで起きるアレルギーについては、自分がその症状を持っているかどうか気づいている人すら稀な場合が多くあります。

寒冷蕁麻疹の症状を持つ人は非常に少ないと考えられていて、ヨーロッパではこの症状を持つ人は人口の約0.05%程度だと考えられています。

今回報告された男性のように、これが重症化してアナフィラキシーショックを起こす人となると、さらに割合は低くなるでしょう。

しかし、自分が寒冷蕁麻疹を持っているのか、持っていたらどうしたらいいのか、という不安がある場合どうしたらいいでしょう?

実は寒冷蕁麻疹は簡単な方法で確認することができます。これは通常のアレルギーのパッチテストのように、アイスキューブを腕などの皮膚に5分程度押し当てることでわかります。

寒さにアレルギーを持つ人は、このとき氷を当てた皮膚が赤く盛り上がりかゆみを伴った膨疹が現れます。

アイスキューブで寒冷蕁麻疹は確認できる。
アイスキューブで寒冷蕁麻疹は確認できる。 / Credit:pixabay

寒さのアレルギーは暖かくしていれば問題はありませんが、それでも寒い季節や海で泳ぐ場合などには不安が伴います。

しかし、上で説明したように、この症状も通常のアレルギー症状と同様にヒスタミンが原因で引き起こされているため、通常は抗ヒスタミン剤の服用によって予防することが可能だと言います。

不安のある人は、医師などに相談すれば安全に予防することができるでしょう。

報告された男性も、病院で抗ヒスタミン剤とステロイドによる治療を受けて、症状が改善されたそうです。

アレルギーにはやっかいなイメージがつきまといますが、寒さだけでも起きてしまう場合があるというのは、本当に困った話です。

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