青色環状星雲の地球からの撮影画像。青い環と赤い帯が星を囲んでいるように見えるが……?
青色環状星雲の地球からの撮影画像。青い環と赤い帯が星を囲んでいるように見えるが……? / Credits: NASA/JPL-Caltech/M. Seibert (Carnegie Institution for Science)/K. Hoadley (Caltech)/GALEX Team
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16年間正体不明だった「青い環状星雲」のナゾを解明!2つの星の衝突直後の瞬間だった

2021.01.28 Thursday

2020.11.20 Friday

 NASA https://www.nasa.gov/feature/jpl/16-year-old-cosmic-mystery-solved-revealing-stellar-missing-link,sciencemag https://www.sciencemag.org/news/2020/11/astronomers-say-they-ve-solved-mystery-blue-ring-nebula,zmescience https://www.zmescience.com/science/blue-ring-nebula-turns-out-to-be-two-colliding-stars-caught-in-the-act/

2004年、NASAの紫外線宇宙望遠鏡「GALEX」は、天の川銀河でこれまで見たことのない不思議な天体を発見しました。

それが上の画像のような青いリング状の星雲です。この天体は発見から16年間研究されてきましたが、調べるほど謎が深まる一方で、一体なんであるのかが不明でした。

しかし、11月18日に科学雑誌『nature』に発表された新しい研究は、ついにその正体を突き止めたと報告しています。

これは2つの星が衝突して1つに融合した天体でしたが、そこには想像を超えた数々の新しい発見が含まれていました。

>参照元はこちら(英文)

謎の青い環状星雲

青いリング状の星雲とその周囲を縁取るような細い赤色の帯が見える。これは紫外線波長の光で肉眼では見えない。
青いリング状の星雲とその周囲を縁取るような細い赤色の帯が見える。これは紫外線波長の光で肉眼では見えない。 / Credits: NASA/JPL-Caltech/M. Seibert (Carnegie Institution for Science)/K. Hoadley (Caltech)/GALEX Team

これは「TYC 2597-735-1」と名付けられた星とその周囲を囲むリング状の星雲の画像です。

青い輝きは遠赤外線の光です。肉眼で直接見ることはできませんが紫外線宇宙望遠鏡「GALEX」の画像では、ぼんやりと青く輝くリングが明るい星を囲んでいるのがわかります。

さらに、その周りには赤い光の帯のようなものも見えます。

見た目には中心の星から急速に離れるように、ガスが膨張してリング状の星雲を作り出しているように見えます。

最初科学者たちはこれが単なる惑星状星雲であると考えていました。

太陽くらいのサイズの恒星は、その寿命の最後に膨張し物質を外側へ放出して環状星雲を星の周囲に作り出します。

惑星状星雲の一例。
惑星状星雲の一例。 / Credit:Wikipedia

しかし、ハワイのケック天文台など複数の望遠鏡から得られたデータは、その可能性を否定するものでした。

惑星状星雲と考えるには、あまりに周囲に破片が多かったのです。

こうなると考えられるのは、2つの星の衝突した残骸だという可能性になります

天の川銀河には2つの星が回りあう連星系が数多くあり、これらの連星はいずれ星同士が接近して合体し終焉迎えることがあるのです。

しかし、単に恒星の衝突と考えた場合にも矛盾するデータがありました。

「TYC 2597-735-1」は水素が不足していてかなり古い星であることが示されているのに、その周りからは多くの赤外線放射が観測されたのです。

これは、若い星の周りによく見られる土星の環のような降着円盤の存在を示唆するもの。

こうした見え方は天体の衝突にも適合しません。

調べれば調べるほど謎が深まる一方で、研究者たちは困惑してしまいました。

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