地球の石油はいつ、どうやって作られた?
地球の石油はいつ、どうやって作られた? / Credit: jp.depositphotos
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地球の「石油」はどうやって作られた? 中東に油田がたくさんあるワケ (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2021.01.10 Sunday

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中東に油田がたくさんある理由

石油は地球上にたくさんあり、把握しているだけで、約6万5000ヶ所の油田が存在します。

一方で、どの石油がいつ、どこでできたかを特定するのは困難です(石油は地下を移動するため、周囲の岩石による年代測定ができないため)。

石油の年代測定には、一般に「バイオマーカー(生物指標)」が使われます。

バイオマーカーとは、年代ごとの生物に特徴的な有機物質を見る方法です。

例えば、「オレアナン」という化合物は花を咲かせる植物のみに見られるので、被子植物が繁栄した白亜紀以降の石油と判断できます。

この手法で見つかった最古の石油は、5億4000万年前という複雑な生命体が登場する以前のもので、新しいものでは500万年しか経っていない石油もあります。

そして、石油生成の黄金期は、2億〜1億4500万年前の「ジュラ紀でした。

両大陸に挟まれる「テチス海」
両大陸に挟まれる「テチス海」 / Credit: ja.wikipedia

このとき、かつての超大陸である北のローラシアと南のゴンドワナに挟まれた「テチス海」で、膨大な量の石油が作られました。

その後の大陸移動でテチス海は消滅したものの、海底に眠る石油はそのまま残されました。

その場所に当たるのが、今の中東なのです。

中東だけで得られる産油量は世界の3分の2を占めており、世界各地に輸出されています。

石油のおかげで人類の暮らしは豊かになりましたが、問題点は山積みです。

環境へのダメージは大きいですし、それをめぐって戦争が起きたことすらあります。

人類が石油なしで暮らせる日は来るのでしょうか?

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