原始惑星系円盤を流れる磁力線のシミュレーション。
原始惑星系円盤を流れる磁力線のシミュレーション。 / Credit:Jean Favre (CSCS).
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「新しい惑星の形成過程」が提唱される 重力の他に磁力が重要な要因になっていた

2021.02.18 Thursday
A new way of forming planets http://nccr-planets.ch/blog/2021/02/11/a-new-way-of-forming-planets/
Formation of intermediate-mass planets via magnetically controlled disk fragmentation https://www.nature.com/articles/s41550-020-01297-6

現在の天体観測は、非常に多くの太陽系外惑星を発見しています。

しかし、発見される系外惑星のタイプを見ていくと、現在の惑星形成モデルでは説明のつかない問題が浮かんでくるのだといいます。

2月11日に科学雑誌『Nature Astronomy』で発表された新しい研究は、そうした問題を解決させる新しい惑星形成モデルのシミュレーションに成功したと報告しています。

その新しいモデルでは、惑星形成に作用する力として従来の重力の影響だけでなく、磁力を計算に入れるのだといいますが、それは一体何を意味するのでしょうか?

系外惑星に見られるとある疑問

ここ25年間で、天文学では4000を超える系外惑星が発見されました

そこには、非常に熱いガス惑星であるホット・ジュピターや、スーパーアースと呼ばれる太陽系には存在しないタイプの多様な惑星が数多く見つかっています

ホット・ジュピターは太陽の近くにある巨大ガス惑星で、その名の通り木星タイプの惑星です。

スーパーアースは地球より数倍から10倍程度大きい岩石惑星で、中間質量の惑星ということができます。

惑星の種類に多様性があることは、現在の惑星形成モデルから考えた場合不自然なことではありません。

現在のモデルでは、惑星は原始太陽が周囲のチリやガスを巻き込んで作り出した原始惑星系円盤から形成されると考えられています。

原始惑星系円盤のイメージ。若い恒星を取り巻く岩石などの塵や、氷の粒が惑星形成の材料となる。
原始惑星系円盤のイメージ。若い恒星を取り巻く岩石などの塵や、氷の粒が惑星形成の材料となる。 / Credit:A. Angelich (NRAO/AUI/NSF)/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

この円盤内で重力の不安定性がきっかけとなってチリとガスが凝集し、これが核となって最終的には惑星が形成されます。

これは主星からの距離や、周囲物質の種類によってさまざまなタイプの惑星が形成されるのです。

ただ、このモデルに従った場合、現在宇宙で見つかる惑星タイプの偏りに疑問が浮かぶのだといいます。

それは、現在宇宙にもっとも普遍的に存在し、数多く見つかるタイプの惑星がスーパーアースだということです。

スーパーアースが生まれた場合、それは円盤内で暴走的なガスを捕獲する確率が高くなるため、通常は巨大ガス惑星に成長する可能性が高くなります。

このため、現在の惑星形成モデルの予想では、スーパーアースよりホット・ジュピターのような重い巨大ガス惑星の方が多く見つからないと不自然だということになるのです。

ではなぜ、宇宙には巨大ガス惑星よりも、中間質量の岩石惑星スーパーアースの方が多いという結果になるのでしょうか?

これまでその理由については、主に2つの原因が考えられていました。

1つはスーパーアースが、円盤ガスの腫れ上がりの直前に形成されたため、あまりガスを捕獲できなかったという説です。

もう1つは、スーパーアースは惑星形成の初期に形成されたものの、何らかの理由でガスを捕獲できなかったという説です。

この何らかの理由は、惑星の大気循環などが原因となってガスの捕獲を阻害するというものですが、現実的に考えた場合、スーパーアースは惑星形成時期の遅い段階で形成されやすいという解釈の方がもっともらしいといえます。

ただこれを明確に説明する方法はわかっていませんでした。

そこで、今回の研究は惑星形成モデルを見直して、新たな形成プロセスを考えたのです。

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