海洋生物が円を描いて泳ぐ理由
研究チームは海洋生物の行動を調査するために、イタチザメ、ジンベイザメ、アオウミガメ、キングペンギン、ナンキョクオットセイ、アカボウクジラを3D記録装置でタグ付けしました。
その結果、これら多種多様な海の動物の一部は共通して旋回行動を行なうと判明しました。
![一部の海洋生物は円を描くように泳ぐ](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/03/this-image-shows-the-circling-behavior-of-various-marine-megafauna-CREDIT-Narazaki-et-al-598x600.jpg)
しかもそれらの海洋生物は、比較的一定の速度で2回以上連続して旋回していたとのこと。
そして研究チームは、旋回行動が行われた場所や時間帯、頻度を調査した結果、その背後には複数の理由があると予測しました。
その1つは採餌です。
実際にいくつかの旋回行動は、その動物がエサを探す場所で観察されました。
例えば、ハワイ沖でタグ付けされた4匹のサメはエサ場で最大30回も旋回していたとのこと。
![収集された旋回行動の記録](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/03/a5d064d3-2de9-40c8-bcd2-dbc01b84c68a-screen-shot-2021-03-16-at-124238-pm-520x600.jpg)
しかし、すべての旋回行動が採餌のためではないことも分かっています。
例えばオットセイは夜にエサを獲るにもかかわらず、主に日中に旋回していました。ペンギンもエサを集めていない時に旋回行動を見せています。
また旋回行動の別の理由として、交尾が挙げられるかもしれません。
調査ではタグ付けされたオスのサメが、パートナーであるメスのサメの周りを円を描くように泳いでいたのです。
そして今回特に大きな発見だったのは、次に解説する旋回行動におけるナビゲーションシステムです。