福島の避難区域に生息するアオダイショウ
福島の避難区域に生息するアオダイショウ / Credit:Hannah Gerke(University of Georgia)_Using snakes to monitor Fukushima radiation(2021)
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福島の残留放射線レベルの調査にスネークが活躍 (2/2)

2021.07.25 Sunday

前ページ福島に生息するヘビの活動を調査

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ヘビは放射能汚染の指標となる

福島のヘビは放射線レベルの指標生物となる
福島のヘビは放射線レベルの指標生物となる / Credit:Hannah Gerke(University of Georgia)_Using snakes to monitor Fukushima radiation(2021)

科学者たちはさまざまな環境条件を調べる際に、そこに生息する生物を利用します。

有名なのは炭鉱で有毒ガスの存在を敏感に検知する「カナリア」でしょう。

ある条件に対して敏感な生物から環境汚染レベルなどを測定するのです。

このような調査に利用できる生物を「指標生物(しひょうせいぶつ)」と呼びます

そして今回の調査結果から、ヘビが放射能汚染に対して指標生物となることが分かりました。

同研究チームでジョージア大学に所属するジェームズ・ビーズリー氏は、その理由について「ヘビは行動圏が狭く、ほとんどの生態系の主要な捕食者であり、多くの場合、比較的長寿です」と述べています。

ヘビは限られた範囲で汚染された土壌と密接に接触するため、その地域の放射性物質を蓄積。

結果として、地域の汚染レベルがそのまま反映されるのです。

今後はヘビを指標として、放射線の影響に対する理解が深められます。

また、今回の調査からはヘビが放棄された建物内に長時間留まることも確認されています。

建物内は比較的被ばくの少ない場所のため、汚染地域ではこうした建物の存在が、ヘビたちの安全な隠れ家として機能するようです。

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