勉強していない分野へ「共通回路」を通して成績が伝達! 音楽のトレーニングは外国語スキルを上達させ逆もアリだと判明!
勉強していない分野へ「共通回路」を通して成績が伝達! 音楽のトレーニングは外国語スキルを上達させ逆もアリだと判明! / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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外国語の学習で音楽力が向上すると明らかに!「共通の脳回路」で互いに影響しあう

2021.08.04 Wednesday

Learning Foreign Languages Can Affect the Processing of Music in the Brain https://neurosciencenews.com/language-music-processing-19040/
Improved Auditory Function Caused by Music Versus Foreign Language Training at School Age: Is There a Difference? https://academic.oup.com/cercor/advance-article/doi/10.1093/cercor/bhab194/6322318

音楽的能力を開花させたいなら、外国語を学ぶといいかもしれません。

7月16日にフィンランドのヘルシンキ大学の研究者たちにより『Cerebral Cortex』に掲載された論文によれば、外国語の学習によって子供たちの音楽的な能力が強化されるとのこと。

学んでいたのは外国語なのに、知らないうちに音楽的能力も上がっていたという結果は「一芸に秀でるものが多芸に通じる」という不思議な現象の一部と言えるでしょう。

1分野に対する学習効果が、思いもよらない他分野の成長させる時、脳ではいったい何が起きているのでしょうか?

一芸に秀でる者が多芸に通じるのは共通回路を利用しているから

一芸に秀でる者が多芸に通じる理由は複数分野にて活動する共通回路のためだった
一芸に秀でる者が多芸に通じる理由は複数分野にて活動する共通回路のためだった / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

成果を求めるなら、学習や練習は必須です。

そのため受験勉強やコンクールなどに挑む多くの人々は、多大な時間を努力に費やしています。

一方で古くから「一芸に秀でるものは多芸にも通じる」という奇妙な現象も知られていました。

例えば、天才数学者がプロ級の楽器演奏の腕を持っていたり、ノーベル物理学者が優れた歌人でもあるという、天が2物を与えた、うらやましい事例です。

この奇妙な現象は現代の科学でも主要な研究テーマの1つであり、数多くの研究が世界中で成されています。

一説には、一芸をマスターした人々は「成功のコツ」のようなものを掴んでおり、別分野にもコツを当てはめ、極め易くなっているとのこと。

この「成功のコツ」を脳科学の言葉で翻訳すれば「共通回路」となります。

一芸をマスターすることで鍛え抜かれた神経回路は別分野の技能にも応用可能だと、脳科学者たちは考えているからです。

問題は「成功のコツ(共通回路)」の有効性が、一方通行かどうかです。

外国語と音楽はともに脳内の音を処理する回路に流される
外国語と音楽はともに脳内の音を処理する回路に流される / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

特に近年、研究者たちが着目しているのが「外国語」と「音楽」の関係です。

これまでの研究により、音楽的なトレーニングを行うことで外国語のスキルが上達することが判明しています。

外国語スキルも音楽スキルも、脳内の音を処理する領域を「共通回路」としているため、脳を音楽で鍛えると、外国語のスキルも勝手に上がっていくという現象が起きるのです。

しかし既存の研究で示されているのは「音楽のトレーニング→外国語の上達」という一方通行のみでした。

そこで今回、フィンランドのヘルシンキ大学の研究者たちは、逆ルートにあたる、外国語の学習が音楽的能力に与える影響を調べることにしました。

結果、これまでの説を引っくり返すような結果が得られました。

勉強していない分野への学習成果が「拡大しながら伝播」していたのです。

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