天文学者がこれまで見たことがないと語る電子の雲「踊る幽霊」
天文学者がこれまで見たことがないと語る電子の雲「踊る幽霊」 / Credit: Jayanne English/EMU/Dark Energy Survey
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ナゾの天体「踊る幽霊」の正体に天文学者が困惑する

2021.08.15 Sunday

‘Dancing ghosts’: a new, deeper scan of the sky throws up surprises for astronomers(CSIRO scope) https://blog.csiro.au/dancing-ghosts-a-new-deeper-scan-of-the-sky-throws-up-surprises-for-astronomers/ Dancing ghosts point to new discoveries in the cosmos(Western Sydney University) https://www.westernsydney.edu.au/newscentre/news_centre/more_news_stories/dancing_ghosts_point_to_new_discoveries_in_the_cosmos ‘Dancing ghosts’: a new, deeper scan of the sky throws up surprises for astronomers(THE CONVERSATION) https://theconversation.com/dancing-ghosts-a-new-deeper-scan-of-the-sky-throws-up-surprises-for-astronomers-165239
The Evolutionary Map of the Universe Pilot Survey https://arxiv.org/abs/2108.00569

宇宙深部の観測で、天文学者は見たことのない奇妙な天体を発見しました。

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のASKAP(アスカップ)電波望遠鏡を使い、ウエスタンシドニー大学(WSU)などの研究チームが発見したのは、奇妙な形で銀河を取り巻く電子の雲でした。

それはまるで「2人の幽霊が踊っているような姿」をしており、2つの銀河の超大質量ブラックホールに撹乱された電子ジェットによるものとのこと。

しかし、未だにどうやって形成されたか不明な部分もあり、研究者注意深く観測を続けています。

この研究論文は、オーストラリア天文学会の科学雑誌『Publications of the Astronomical Society of Australia』への掲載が決まっていて、現在はプレプリントサーバー「arXiv」にて閲覧が可能です。

2人の踊る幽霊

ASKAPのアンテナの1つ。ASKAPは直径12mの衛星アンテナ36個で構成されている。
ASKAPのアンテナの1つ。ASKAPは直径12mの衛星アンテナ36個で構成されている。 / Credit:CSIRO

今回の天体は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の新しい電波望遠鏡ASKAP(アスカップ)を使用した、「全天連続電波深探査EMU」というプロジェクトから発見されました。

EMUでは宇宙の進化地図を作るために夜空を広くスキャンしています。

EMUパイロットサーベイによって作成された画像。左下の丸いのが満月のサイズ。
EMUパイロットサーベイによって作成された画像。左下の丸いのが満月のサイズ。 / Credit:Ray Norris from EMU data

このデータの中から見つかったのが、2人の幽霊が踊っているかのような奇妙な形の電子の雲でした。

研究者はこうしたものを見たことがなかったため、最初はそれが何であるのかわからなかったと話します。

しかし数週間後、その領域で地球から約10億年離れた場所に2つの電波銀河(明るい電波を放つ活動銀河)が映っていることがわかりました

そしてその銀河の中心には、超大質量ブラックホールがあり、2つの銀河の間には複雑に曲げられた電子のジェットが噴出していたのです。

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