2人の踊る幽霊
![ASKAPのアンテナの1つ。ASKAPは直径12mの衛星アンテナ36個で構成されている。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/08/ASKAP_CHERNEY_Panorama_3x2.jpg)
今回の天体は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の新しい電波望遠鏡ASKAP(アスカップ)を使用した、「全天連続電波深探査EMU」というプロジェクトから発見されました。
EMUでは宇宙の進化地図を作るために夜空を広くスキャンしています。
![EMUパイロットサーベイによって作成された画像。左下の丸いのが満月のサイズ。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2021/08/file-20210730-23-3z6564-826x600.jpg)
このデータの中から見つかったのが、2人の幽霊が踊っているかのような奇妙な形の電子の雲でした。
研究者はこうしたものを見たことがなかったため、最初はそれが何であるのかわからなかったと話します。
しかし数週間後、その領域で地球から約10億光年離れた場所に2つの電波銀河(明るい電波を放つ活動銀河)が映っていることがわかりました。
そしてその銀河の中心には、超大質量ブラックホールがあり、2つの銀河の間には複雑に曲げられた電子のジェットが噴出していたのです。