20代〜50代で代謝率は落ちないことが判明
20代〜50代で代謝率は落ちないことが判明 / Credit: jp.depositphotos
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ヒトの代謝は「20代から50代では低下しない」ことが明らかに

2021.08.16 Monday

Huge Study Finds Our Metabolism Changes With Age, But It’s Not When You Think https://www.sciencealert.com/scientists-have-mapped-out-how-our-metabolisms-change-over-our-lives Metabolism doesn’t change with age — at least not how you think it does https://www.zmescience.com/medicine/metabolism-doesnt-change-with-age-at-least-not-how-you-think-it-does/
Daily energy expenditure through the human life course https://science.sciencemag.org/content/373/6556/808

人の「代謝」は、歳を重ねるごとに変化します。

代謝率の低下は、便秘や肥満の原因とされ、いわゆる「中年太り」などもその結果とされてきました。

一方で、代謝率が年齢ごとにどう増減するかは、ほとんど分かっていません。

そこで今回、米・デューク大学(Duke University)らが調査したところ、驚くことに、代謝率は20代〜50代で落ちないことが判明しました。

歳をとってウエストが太くなるのは、代謝のせいではないかもしれません。

研究は、8月13日付けで学術誌『Science』に掲載されています。

20代〜50代まで代謝は落ちない

代謝は大きく「基礎代謝」「新陳代謝」に分けられます。

基礎代謝とは、何もしなくても身体が勝手に消費するエネルギー量(=生きるために必要な最低カロリー量)のことです。

基礎代謝が上がると、体内のエネルギー消費量が増え、それに伴って体が活性化し、体温が上昇します。

メリットは、免疫力が上がったり、太りにくくなることです。

一方の新陳代謝とは、体内の古いものと新しいものが入れ替わる活動を指します。

古い細胞が新しい細胞に入れ替わることで、髪の毛や皮膚が新たに生成されるのです。

肌荒れや冷え性、便秘、肥満の予防につながります。

それでは、これらの代謝率は、年齢とともにどう変動するのでしょうか?

研究チームは、29カ国を対象に、生後8日〜95歳までの人、計6421名の膨大なデータを収集し、分析しました。

各人の1日の総エネルギー消費量を測定するため、チームは「二重標識水(Doubly-Labelled water、DLW)法」を用いています。

DLW法は、「重水素」と「酸素-18」の2種の安定同位体を用いた水を被験者に摂取させ、どれだけ早く尿から排出されるかを調べることで、体が消費する1日のエネルギー量(=代謝率)を測定する方法です。

これにより、生きるために必要なエネルギー量だけでなく、1日に消費されたすべてのエネルギー量が算出できます。

代謝率と中年太りは関係ない?
代謝率と中年太りは関係ない? / Credit: jp.depositphotos

結果、人の代謝率は乳幼児期にピークを迎え、20代に入るまでに約3%ほど低下することが判明しました。

10代は成長期に当たりますが、被験者の体格を考慮したところ、思春期の1日の必要カロリーの増加はなく、世間一般で言われるような「代謝の急上昇」は見られていません。

そして、20代〜50代の間は、代謝率が最も安定し、低下することなく横ばいになっていたのです。

また、他の要因を考慮しても、男性と女性の代謝率の変化には、実質的な違いがありませんでした。

つまり、中年太りは、代謝の低下が原因ではないと考えられます。

では、代謝率はいつから低下するのでしょうか?

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