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ノンレム睡眠レム睡眠 / ©熊之股鍵次・小学館/魔王城睡眠促進委員会やすみ】ノンクレジットオープニング映像『快眠!安眠!スヤリスト生活』
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脳はレム睡眠中にリフレッシュしていた! レム睡眠が少ないと認知症リスクが高くなる

2021.08.28 Saturday

ヒトを含む哺乳類の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠という2つの状で構成されています。

筑波大学などの研究チームは、特殊な顕微鏡で睡眠中のマウスの脳内を直接観察できる技術を確立。レム睡眠中に毛細血管の血流が増大していることを発見したと報告しています。

これは、脳がレム睡眠中に活発な物質交換を行ってリフレッシュしていたことを意味しています。

この事実は、睡眠中にレム睡眠の割合が少ない人は、認知症リスクが高まる可能性も示唆しています。

研究の詳細は、科学雑誌『Cell Reports』に8月17日付で掲載されています。

睡眠中の脳のリフレッシュ機構を解明 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210825140000.html
Cerebral capillary blood flow upsurge during REM sleep is mediated by A2a receptors https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34407410/

ノンレム睡眠とレム睡眠

睡眠周期を表したグラフ
睡眠周期を表したグラフ / Credit:depositphotos

人の睡眠には深い眠りと浅い眠りの周期が存在していて、それぞれをノンレム睡眠とレム睡眠と呼びます。

ノンレム睡眠は深い眠りのことを指し、これまでの研究から、成長ホルモンの分泌が上昇したり、ストレスホルモンの分泌が抑えられるなど、や身体の回復に寄与していることがわかっています。

一方、レム睡眠は浅い睡眠状態を指し、夢を見ているのもこのレム睡眠のときですが、この状態が心身の健康維持にどう役立っているのかは、あまり良くわかっていませんでした

ところが近年、レム睡眠時間の割合が少ない人は、認知症の発症リスクや死亡リスクが高いということが多く報告されるようになりました。

このため、レム睡眠は認知症発症と何らかの関連性を持っているのではないか? と指摘されるようになったのです。

脳機能維持において重要な役割を担っているのは、毛細血管の血流による栄養や老廃物の物質交換です。

そこで、今回の研究チームは、組織深部を直接観測できる二光子励起顕微鏡(⻑い波⻑のレーザー光を用いる顕微鏡)を利用して、睡眠中のマウスの脳の血流を観測することにしました。

そして世界で初めて睡眠中の動物の脳における毛細血管中の赤血球の流れを直接観測することに成功したのです。

次ページ明らかになるレム睡眠の健康効果

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