火星初期の環境を描いたアーティストイメージ
火星初期の環境を描いたアーティストイメージ / Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center
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火星が水を失うのは「最初から定められた運命」だった

2021.09.21 Tuesday

There Could Be an Extremely Simple Reason Why Mars Isn’t as Suitable For Life https://www.sciencealert.com/there-s-a-simple-reason-mars-might-have-limited-habitability-its-tiny-size Mars habitability limited by its small size, isotope study suggests https://phys.org/news/2021-09-mars-habitability-limited-small-size.html
Potassium isotope composition of Mars reveals a mechanism of planetary volatile retention https://www.pnas.org/content/118/39/e2101155118

現在の火星は荒野しかありませんが、かつては地球と同じように大量の水を持つ惑星だったことがわかっています。

火星の水はなぜ失われてしまったのか? 科学者たちはさまざまな説を提案してきました。

しかし、ワシントン大学セントルイス(WUSTL)の研究チームは、その根本的な理由を示唆する新しい研究を発表しました。

それは、そもそも火星は大量の水を保持するには小さすぎたという可能性です。

この場合、なにか不幸な要因があったわけではなく、水を失うことは火星にとって最初から定められた運命だったことになります。

研究の詳細は、今週、科学雑誌『全米科学アカデミー紀要:PNAS』で発表されています。

火星の運命は最初から決まっていた

火星にはかつて大量の水がありました。

火星探査機の調査では、長期間水に浸かっていたことを示す鉱石や、洪水により削られた谷の痕跡など、さまざまな証拠が発見されていて、もはや疑いようのない事実です。

星マンガラ渓谷に残るかつての洪水の痕跡
星マンガラ渓谷に残るかつての洪水の痕跡 / Credit:NASA/JPL/Arizona State University image

しかし、現在火星の表面に水は存在していません

火星の水はなぜ失われてしまったのか? そしてどこへいってしまったのか?

これは火星を研究する際の重要なテーマとなっていて、火星磁場の弱体化による大気の喪失などを含む、さまざまな可能性が提案されています。

しかし、今回の研究を発表したワシントン大学地球惑星科学専攻助教授クン・ワン(Kun Wang)氏は、火星が地球と大きく異る歴史を歩んだ原因について、もっと根本的な理由を語っています。

「生命が存在できるような十分な水を保持できる岩石惑星のサイズには、おそらくしきい値があります

そして、火星は根本的にその質量が足りていなかったのです」

つまり、火星の運命は最初からどうあがいても水を失うと決まっていたのだ、とワン氏は主張するのです。

次ページ環境が維持できる岩石惑星の限界

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