マウスは病んでいる仲間を見ると自分もうつ状態になる
マウスは病んでいる仲間を見ると自分もうつ状態になる / Credit:Depositphotos
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病んでる友人を見るだけでマウスは「うつ病」になると判明!

2021.09.24 Friday

Mice can develop neural signs of depression when forced to watch other mice experiencing stress https://www.zmescience.com/science/mice-can-develop-neural-signs-of-depression-when-forced-to-watch-other-mice-experiencing-stress/ 精神的ストレスが海馬の神経新生に与える影響の解明に成功 ~うつ病の病態生理の解明に前進、新たな治療薬の開発に期待~ https://www.tus.ac.jp/today/archive/20210922_3728.html
Chronic vicarious social defeat stress attenuates new-born neuronal cell survival in mouse hippocampus https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0166432821004241

現在、日本人の6~7.5%が一生のうち一度はうつ病を経験するといわれています。

しかし発症する原因について、詳細なメカニズムは未だ解明されていません。

そこで東京理科大学薬学部薬学科に所属する斎藤 顕宜(さいとう あきよし)教授ら研究チームは、マウスが精神的ストレスだけでうつ状態になるか実験しました。

その結果マウスは、暴力を受けている仲間のマウスを見ているだけで、自分もうつ状態になってしまいました。

研究の詳細は、8月18日付の科学誌『Behavioural Brain Research』に掲載されています。

精神的ストレスだけでもうつ状態になる?

「精神的なストレスが人をうつ病にする」という考え方は、現代では常識のように思えます。

しかしこの考えは、科学的に解明されたわけではありません。

なぜなら実験室で「身体的ストレス」と「精神的ストレス」を分けて調査するのは難しいからです。

「精神的ストレスだけでうつ病になる」と科学的に証明できるか
「精神的ストレスだけでうつ病になる」と科学的に証明できるか / Credit:Depositphotos

一般的に病気の発症メカニズムを解明するには、まずマウスなどの動物が利用されます。

マウスに特定の刺激を与えて、それが脳や体にどのような影響を与えるか細かく調べるのです。

従来のうつ病の研究では、マウスを直接的に、慢性社会的敗北ストレス状態にしていました。

これは「体格が優れた攻撃的なマウス」と「体格の劣る弱いマウス」を同じ容器にいれて「イジメと敗北」を繰り返させるという方法によって行われます。

そしてイジメられたマウスは脳神経の活動が低下し、「引きこもり」や「好物に対する興味の喪失」などといった、一種の「うつ状態」が観察されるようになるのです。

しかしこのストレスの与え方には必ず暴力が伴うため、精神的ストレスだけの影響を判別できません。

そこで研究チームは、マウスが「精神的ストレスだけ」でうつ状態になるか実験することにしました。

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