腸は第2の脳ではなくむしろ腸の一部から脳がうまれたと判明!
腸は第2の脳ではなくむしろ腸の一部から脳がうまれたと判明! / Credit:Canva . ナゾロジー運営部
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腸は第2の脳ではなく、むしろ「脳の方が腸から生まれた」と判明! (3/3)

2021.11.18 Thursday

前ページ脳は腸の一部が変化して誕生した

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腸内細菌叢は脳より古い起源をもっている

腸内細菌嚢は脳より古い起源をもっている
腸内細菌嚢は脳より古い起源をもっている / Credit:Canva . ナゾロジー運営部

今回の研究により、ニューロンの謎に包まれていた起源が、消化システムを制御する細胞(ニューロイド)から派生した可能性が示されました。

ニューロイドで同じような遺伝子が働いているだけなく、ニューロンのシナプスにソックリな接合部を持ち、同じ神経伝達物質を分泌し、細菌叢の維持にもかかわっていました。

神経系が存在しない海綿動物の消化システムでみつかったニューロイドは、その類似性から、後のニューロンの原形であり、ひいては神経系や脳の起源となったと考えられます

そして腸内細菌などの共生細菌の存在は脳にとって、自分の親である腸と友誼を結んだ、古株のオジキ的な存在と言えるでしょう。

脳が腸内細菌の指令を受けて活動を変化させるのも、進化の過程をみれば納得できます。

腸内細菌を持たないマウスが「ボッチ」になる理由が明らかに

ただ全てのニューロンがニューロイドを起源にしているかまでは、断定できません

いくつかのニューロンは消化システムの制御機能よりも、筋肉細胞のほうにより多く一致する部分があるからです。

研究者たちは今後、海綿動物の細胞を分析することで、神経系の複雑な起源を解明できると考えています。

生命の進化過程の探求は今後も、豊かな思考の糧を与えてくれるでしょう。

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