平たい顔のブルドッグは、他の犬種より疾患リスクが高いと判明
平たい顔のブルドッグは、他の犬種より疾患リスクが高いと判明 / Credit: jp.depositphotos
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Think twice before getting a French Bulldog: Flat-faced breed is at higher risk of 20 common disorders and has such severe health problems that it can no longer be considered a ‘typical dog’, vets warn https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10313459/Pets-French-bulldogs-severe-health-issues-no-longer-considered-typical-dogs.html
French Bulldogs differ to other dogs in the UK in propensity for many common disorders: a VetCompass study https://cgejournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40575-021-00112-3

2021.12.17 Friday

平たい顔のブルドッグは、他のイヌより20種の病気にかかりやすかった

「フレンチブルドッグは深刻な健康問題を抱えており、この犬種はもはや医学的見地から”典型的な犬”と見なすことはできない」

王立獣医学校(RVC・英)はこのほど、延べ2万4631頭のイヌ(うちフレンチブルドッグ2781頭)の健康記録を分析した結果、このような厳しい警告を発するに至りました。

平たい顔をしたブルドッグは、鼻孔狭窄や閉塞性気道症候群を含む20の一般的な疾患リスクが、他の犬種よりはるかに高いことが判明したのです。

研究チームは、これを受け、疾患リスクを減らすため、フレンチブルドッグをより穏やかな形態へと変化させる必要性があると述べています。

研究は、12月16日付けで学術誌『Canine Medicine and Genetics』に掲載されました。

最大の武器「平たい顔」が致命的に?

「平たい顔」が健康を妨げていた
「平たい顔」が健康を妨げていた / Credit: ja.wikipedia

本研究では、2016年以降にイギリス全土の動物病院がRVCのデータベースに記録した、フレンチブルドッグ2781頭と他の種2万1850頭の病歴を分析。

具体的には、43の特定疾患の診断率をフレンチブルドッグと他の犬種で比較しました。

その結果、フレンチブルドッグは、20項目の疾患において有意に大きなリスクを負っていることが分かったのです。

疾患の中には、呼吸困難の原因となる鼻孔狭窄(42倍)閉塞性気道症候群(31倍)耳漏(14倍)、鄒壁性皮膚炎(11倍)出産困難(9倍)などが含まれています。

※耳漏(じろう)=耳の穴から膿が出てくる疾患

※鄒壁(すうへき)性皮膚炎=顔のシワが原因となる皮膚病

研究主任のダン・オニール(Dan O’Neill)氏は、次のように述べています。

「多くの人が、フレンチブルドッグを愛していることに疑いはありません。しかし悲しいことに、本研究は、これらのイヌに影響を与える深刻な健康問題を明らかにしています」

容姿を変える必要性

その一方で、フレンチブルドッグは、20の疾患のリスクが非常に高いにもかかわらず、調査した43の一般的な疾患のうち、歩行困難、肥満、望ましくない行動など、11の疾患を発症する率は他の犬種より低かったようです。

これは、フレンチブルドッグが、疾患リスクの高い身体的特徴を選択的に排除することで、より健康的な形態へと移行できる可能性を依然として持っている証拠である、と研究チームは指摘します。

オニール氏は、イヌの形態を人為的に変化させることについて、「フレンチブルドッグの外見を時間をかけて変化させるためには、ブリーダーと繁殖基準を公表しているザ・ケネルクラブ(世界最古の畜犬団体)の賛同が必要」と言います。

ザ・ケネルクラブは最近、健康に悪影響となる形態を避けるために、フレンチブルドッグの犬種標準を更新しました。

「これは、イヌの見た目に対する飼い主の願望よりも、彼らの健康を優先させる非常に前向きなステップであり、私たちは今、この犬種をより穏やかな形態に向けて進化させなければならない」と動物疫学者は語ります。

疾患に関与する特徴を変える必要性
疾患に関与する特徴を変える必要性 / Credit: jp.depositphotos

また、イギリス獣医師会会長のジャスティン・ショットン(Justine Shotton)氏は、こう述べています。

「現在、ソーシャルメディアや有名人の影響で、フレンチブルドッグの人気は急上昇しています。

しかし不幸なことに、その愛らしい特徴は、多くの健康問題を覆い隠してしまい、高額な治療費が必要になることがあるのです。

獣医師の間では、フレンチブルドッグを家族に迎える際に、多くの飼い主がこうした問題に気づいていないことが懸念されています。

私たちは、ペットを飼う前に、特定の犬種や交雑種が特定の病気にかかりやすいかどうか、健康診断が必要かどうかなど、よく調べておくことを常におすすめしています」

今後、フレンチブルドッグの健康問題が公になれば、積極的に容姿を変化させる取り組みが進むでしょう。

それに伴い、特徴的な「平たい顔」はなくなるかもしれませんが、彼らの健康を思えば致し方ないのかもしれません。

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