地球を「ニワトリの惑星」に変えた人類の功罪

animals_plants 2018/12/16

Point
・短期間で人間によって都合よく姿を変えられたニワトリは、人間が地球環境に影響を与えている事実のシンボル的存在である
・人間の活動の影響は「地質学的なレベル」にまで及んでおり、地質時代は新たな「人新世」と呼ばれる時代に突入したとされる

ニワトリの骨を調査してその祖先との違いを比較することで、いかに人間が自分たちの都合のいいように短期間でニワトリに姿を変えさせ、その数を爆発的に増やしていったのかが明らかとなりました。

The broiler chicken as a signal of a human reconfigured biosphere

https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rsos.180325

どの時代を切り取ってもおよそ230億もの個体数が存在しているニワトリは、私たちが地球環境に変化を与えてきた事実のシンボル的な存在です。生物の進化は通常であれば数百万年といった長い年月を必要とするものですが、ことニワトリに関しては急速にその姿を変化させています。

人間がスーパーマーケットに並べるチキンを求めるあまり、野生のニワトリは減少していき、その家畜としての数は爆発的に増加していきました。そして今やその数は他種の鳥と比べてケタ違いのものとなっており、私たちは「ニワトリの惑星」で生活をしているといっても過言ではありません。

もし遠い未来の人類が、私たちの時代の地層を調査したとすれば、そこに「空き缶・空き瓶」「プラスチック素材」などに加えて「大量のニワトリの骨」を発見することでしょう。このように、人間の活動が地球に地質学的なレベルの影響を与える時代を「人新世(アントロポセン)」と呼ぶことがあります。

すでに完新世が終わり、人新世の時代を迎えているのかについては専門家の間でも意見が分かれるところですが、人的な影響が無視できないレベルにまで至っていることは否定しようがありません。

ニワトリの祖先は、東南アジアに生息しているセキショクヤケイであるといわれています。最初にセキショクヤケイが家畜化されたのはおよそ8,000年前であり、そこからその肉や卵を求める人間のために、ニワトリは急速に世界中へと羽ばたいていきました。そして、できるだけ早く太ることができるように選択的な交配が行われ、今のような丸々とした体ができあがったのです。

 

気候変動だけでなく、人間は地質レベルでも地球に大きなインパクトを与える存在となっていることが分かります。もはや人間に任されたといっていい地球の「舵取り」は、この先どのような未来へとつながっていくものなのでしょうか。

 

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via: bbc / translated & text by なかしー

 

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