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月面で初めて植物の芽がコンニチワ!中国の月探査機「嫦娥4号」が運んだ綿花の種、月面での発芽に初成功

2021.01.27 Wednesday

2019.01.16 Wednesday

Credit: China Xinhua News
Point
■中国の月探査機「嫦娥4号」が運んだ綿花の種が、月面での発芽に成功
■発射時の衝撃、不快な温度変化、低重力、高放射線などの悪環境により、芽は痩せこけている
■「嫦娥4号」に搭載された月面ローバー「玉兔2号」が、地質や資源の有無を調査中

1月3日に月の裏側に到着した、中国の月探査機「嫦娥4号」。科学者たちがこの嫦娥4号の中に仕込んだのが、植物の種が入った小さなカプセルたち。その中に含まれていた綿花の種が、月面でめでたく発芽したというニュースが届きました。

上の画像を見ると、種の中から確かに、小さな緑色の芽が顔を覗かせています。正真正銘、地球の外で育った歴史上初めての植物です。

これまでも、微小重力環境下で植物の成長に起きる変化を調べ、宇宙滞在中の宇宙飛行士の食事を多様化する目的で、多くの種が宇宙へ旅立ちました。以前、地球の植物が直近で月面に到着したのは1971年のこと。林業の経験を持つアポロ14号の宇宙飛行士スチュアート・ルーサが、数百個の種を宇宙に持って行ったのです。それらは地球に帰還した後で発芽し、「月の木」と呼ばれて世界中に配布されました。

嫦娥4号の内部では植物の生育実験が実施されています。月面は昼と夜の寒暖差が激しく植物の育成には厳しい環境のため、実験は温度を一定に保つ特殊な装置の中で行われています。

Credit: Chongqing University / 月での育成に使われたカプセル

カプセルに入っていたのは綿花だけではありません。ジャガイモや、室内で容易に栽培できるモデル生物として一般的なシロイヌナズナも含まれていましたが、残念ながらこれらは現時点で発芽していないようです。

綿花の方も、発芽したとはいえ、地球で育てられた対照群の成長ぶりと比較すればかなり痩せこけています。月面の種は、発射時の衝撃、不快な温度変化、低重力、高放射線など、波乱万丈の中をくぐり抜けてきたのですから無理もありません。

嫦娥4号は、地球から見ることができない月の裏側のフォン・カルマン・クレーターの内部に着陸し、搭載していた探査車「玉兔2号」を月面に降ろして月面の地質や資源の有無を調べています。およそ2週間も続く、暗く寒い夜に戸惑いながらも、これらのロボットが地道な調査を続けているのです。

綿花の成長が無事に進めば、「月の綿花」でできた「月のTシャツ」が誕生するのも夢ではないかも?宇宙へのロマンを掻き立てられますね。

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reference: livescience / translated & text by まりえってぃ

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