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液体を「永久磁石」に変化させることに成功

2021.01.28 Thursday

2019.07.22 Monday

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Credit:depositphotos

Point

■米国の研究所が、3Dプリンターで磁性流体を用いた液体の形成実験をしていたところ、偶然液体の磁石を作ることに成功した

■磁性流体も磁石に反応する液体だが、磁界を取り除くと磁性は消えてしまう。しかし今回の液体磁石は磁界がなくても磁性を保持することができる

■この新発見された材料は、今後人工細胞の作製や、標的を定めて薬物を細胞へ届ける伝送技術などへの利用が計画されている

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米国バークレーの研究所では、液体の構造を設計して印刷するという特殊な3Dプリンターの研究が進められています。

この液体の形成に、磁石に反応して形状を変化させる磁性流体を用いた方法を試す研究者がいたのですが、この研究過程で磁界を与えた液体が、そのまま永久磁石へ変化してしまうケースが報告されました

これは液体による磁石の作製に成功したことを意味していて、これまでにない世界初の材料になります。

磁性を帯びた液滴は、外部の磁石の影響で遠隔操作が可能となるほか、磁界の影響でプロペラのようにくるくると回転するなどの動作も見せるため、3Dプリンターで人工細胞を形成する技術や、プロペラ回転を推進力として体内のピンポイントなターゲットへ薬剤を届ける極小ロボットなどへ応用することが可能だといいます。

この研究は米国バークレー研究所の研究者により発表され、科学誌Scienceに7月19日付けで掲載されています。

Reconfigurable ferromagnetic liquid droplets
https://science.sciencemag.org/content/365/6450/264

鉄が磁石になる仕組みって? 磁石のキホン

多くの人にとって子供の頃、興味を持つ科学の話題の1つが磁石でしょう。

身近にありながら、見えない力を発する磁石は、興味深い存在です。

磁石の様な常に磁界を発生させているものや、磁石に強く反応してくっつく鉄のような材料は一般的に強磁性体と呼ばれます。

鉄は普段磁力を帯びてはいませんが、これは鉄の中で磁極がばらばらの方向を向いているため、互いに打ち消し合ってしまっているためです。

そのため、永久磁石を近づけて磁極を揃えてあげると磁石と同じ性質を示すようになります。磁石にくっついた鉄の釘が今度はクリップなどもくっつけてしまうという実験を子供の頃に見たことがあるかもしれませんが、これはそうした鉄の磁化する性質によるものです。

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Credit:『わかりやすい高校物理の部屋』

強磁性体は、一度磁化するとしばらく磁性を保つ性質を持ちますが、大抵はあまり長くは続きません。鉄は磁石から離すと、割とすぐに磁性が弱まってしまいます。

永久磁石も、永久という言葉ついていますが、常温では比較的長く磁性を保てるというだけで、本当に永遠に磁性を維持できるわけではありません。特に高温になると原子が活発に動き出す影響で、どの様な物質でも磁性を失ってしまいます。

これが磁石、強磁性体の基本的な性質です。

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