uncategorized

1022の名前を覚えた天才ボーダーコリー

2021.01.27 Wednesday

2019.08.04 Sunday

Credit: Pilley Bianchi

犬に1,000個以上の名詞を教えることに成功した人物を知っていましたか?

愛犬のボーダコリー「チェイサー」にこの妙技を習得させたのは、ウォフォード大学で名誉教授を務めていたジョン・W・ピレー博士。

博士は長年、犬たちに物の名前を教える独自の実験を行いながら、ボーダコリーの扱いに長けた牧畜農家から得たアドバイスにしたがって実験手法に修正を加えてきました。

1日4〜5時間のトレーニングで固有名詞だけでなく普通名詞も理解

チェイサーは、博士の妻であるサリーさんが夫に贈ったプレゼントでした。

最初の3年間、博士は毎日、このメスのボーダコリーに4〜5時間のトレーニングを行いました。博士はチェイサーに1つの物体を見せ、その名前を40回発声しました。そして、その物体を隠すと、それを探すようチェイサーに指示したのです。

最終的に、116個のボール、800個の布製の動物のおもちゃ、26個のフリスビー、プラスチックの小物の寄せ集めから成る、合計1,022個もの物体の名前を愛犬に教えることに、博士は成功しました。

2013年、ピレー博士は、チェイサーが前置詞付き目的語・動詞・直接目的語を含む文を理解することを説いた論文を発表しました。

Border collie comprehends sentences containing a prepositional object, verb, and direct object
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S002396901300026X?via%3Dihub

昨年89歳で他界した博士に続き、チェイサーはつい先日15歳であの世へ旅立ちました。博士の娘であるビアンチさんによると、チェイサーの健康状態はここ数週間で衰えていたようです。死因は老衰でした。

Credit: Pilley Bianchi

ビアンチさんは、「分かって欲しいのは、チェイサーが決して特別ではなかったということ。特別だったのは、チェイサーが受けたトレーニングの方法なんです。私たちは、父が活用したのは、とてもシンプルな事実だったと考えています」と語っています。

それは、100通りの行動を学ぶよりも、概念を学ぶことは際限なく大きな働きを持つという事実です。ビアンチさんは、動物の認知に関する研究において、父親が行った実験がいかに未知の領域のものであったかを説き、「チェイサーの言語学習は、実にレベルが高く、パワフルなサイエンスです」と語ります。

チェイサーは、単語には固有の意味があることを理解しただけでなく、固有名詞にとどまらず普通名詞をも理解しました。ビアンチさんが語るには、チェイサーに30個のボールを与えたら、チェイサーはその1つ1つを固有名詞として理解するだけでなく、ある物体の集団の一部としても理解できるのだそうです。

チェイサーは、1つから多数、多数から1つを導く理論を学びました。それはつまり、1つの物体が多くの名前を持つこと、そして多くの名前が1つの物体や1人の人間に当てはまることを理解したということです」と、ビアンチさんは説明しています。

次ページ人間が外国語を理解するのと同じ感覚

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

未分類のニュースuncategorized news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!