4. たくさん休憩する
言語学習の合間にできるだけ多くの休憩をとるのが効果的であるということは、ひょっとすると直感に反するかもしれません。しかし、「spacing effect(間隔効果)」というものの存在を知れば、あなたは学習スケジュールを再考したくなるでしょう。
2007年の研究では、ある記憶を呼び起こすために「10%ルール」というものが奨励されています。これは、現時点から、その記憶を思い出したい日までの期間の10%分のインターバルを自らに与えるというものです。
たとえば、ちょうど1ヶ月先に大事な試験が控えているといった状況では、30日のおよそ10%にあたる3日間をインターバルとして、今日学習したものを3日経った後に復習すべきといったことになります。
しかし、たとえば1年後などさらに長期的なピークを考えるのであれば、このルールをそのまま適用することはできず、月に1度は復習をするなど細かなメンテナンスが必要となるでしょう。
また、2012年の研究では、10%ルールとは異なるプロセスの休憩が推奨されています。そこでは、人工言語を学び、ある程度まで熟練した19人の被験者が対象となっています。
研究では、言語学習後に被験者に3-6ヶ月の学習しない期間を与えましたが、その後におこなわれた文法テストでは、成績が落ちていなかったことが分かりました。
研究者はこの休憩期間に、人工言語に関する記憶が「宣言的記憶」から、長期記憶の一種である「手続き記憶」へとシフトしたと考えています。手続き記憶とは、自転車に乗ったり楽器を演奏する際に用いられる記憶であり、いわゆる「体が覚えている」状態を指すものです。
つまり、言語であっても勉強して、それをしっかりと脳の中で熟成させれば「体が覚える」ことで、いつでもその記憶を引き出せる状態になってくれるということです。