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「42を3つの立法数の和で表わせ」長年未解決だった数学の難問が解明される (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2019.09.11 Wednesday

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アルゴリズムの研究

Credit:depositphotos

そこまで調査の桁数を拡張して、やっとその答えは発見されました。答えが42となる立方数の組み合わせは次の通りです。

42 = (-8538738812075974)3+(8435758145817515)3+(12602123297335631)3

これは見つかるわけがないという、飛んでもない数の答えです。

今回のこの計算には世界中の未使用のコンピューターを並列処理するチャリティエンジンが利用されました。50万台以上の家庭用PCを使って合計で100万時間(114年)以上を掛けて計算されたといいます。まさに惑星スーパーコンピューターです。

コンピューターの並列処理というのは、大量の計算を複数のコンピューターに分けて同時に計算することを言います。

人の作業に例えるなら、例えば千羽鶴を1人で1羽1分掛けて折った場合、1000工程1000分という時間を要しますが、1000人で分担した場合、1人辺りの作業は1工程1分で済みます。

処理能力が低い家庭用PCだとしても、適切に作業を分散させれば膨大な計算が短時間で行えるのです。

これだけの計算を行う場合、重要となるのが適切なアルゴリズムの設計です。Booker氏の最大の貢献はこのアルゴリズムの設計にあるのです。

Booker氏は答えが導けたことに非常に安心したと答えています。なぜなら、この計算は1ヶ月続けても、1世紀続けても解が導けなかった可能性もあったからです。

解が存在するかわからない問題に挑戦することが、プロの数学者のもっとも困難ところなのです。

今回、この問題の1から100までの自然数は解決されました。しかし、これが1から1000までの範囲に拡張した場合、未解決の数は「114165390579627633732906921975」の10も残っているといいます。

今後は、これらの解決を目指していくことになるのだそうです。数学の世界は、ほんとうに果てしないですね…。

超難問「フェルマーの最終定理」証明の最重要人物である日本の数学者が死去

reference:sciencealert,quantamagazine/ written by KAIN

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