途中で崩壊する可能性も
もちろん、期待が必ず叶うとは限りません。アトラス彗星は、地球に近づく前に崩壊してしまう可能性があるからです。
アトラス彗星が急激に明るくなっているのは、太陽の熱によって核が急激に溶けてガスを放出しているからです。
ですから、核が小さい場合は、「ガスが不足して」私たちが肉眼で観測するまえに崩壊してしまうでしょう。
この先、アトラス彗星はどうなるのでしょうか?
何百もの彗星を観測してきた天文学者であるジョン・ボルトル氏によると、アトラス彗星は途中で崩壊してしまう可能性があるようです。
アトラス彗星は一見大きく見えますが、ぼんやりとしていて鮮明ではありません。
対照的に、これまでに地球に近づいてきた「肉眼で見える彗星」は、一見小さく見えるものの、かなり鮮明な外見をしていました。
ボルトル氏の観測では、アトラス彗星は「肉眼で見える」条件から外れているのです。
もちろん、現在の観測では、アトラス彗星が今後を誰も明言することはできません。
ボルトル氏の予測のように「私たちの期待に応えない」かもしれませんし、逆に、稀に見る輝きを見せる「大彗星」となるかもしれません。
今は、ただ待つしかないでしょう。
しかし、多くの天文学者は、今の悲惨な世界の状況の中で、人々の思いをポジティブにさせてくれるアトラス彗星の発展を心から「期待」しているようです。
- アトラス彗星はますます明るくなってきており、肉眼で観測できるようになるかもしれない
- 5月末には太陽に最も近づき、北極星以上の明るさに到達するかもしれない