
- マウスの表情変化をAIをつかって読み取ることに成功した
- マウスの脳細胞の活動パターンを直接測定することで感情に対応する感情のコードがみつかった
- 感情コードを信号としてマウスの脳に流すと、マウスの表情を強制的にそ操作できる
- 感情コードを機械がエミュレートしたら、心がうまれるかもしれない
近年の急速な神経科学の発展により、手足の動作や言語を定義する、基本コードが明らかになりつつあります。
今回の研究では、マウスの脳細胞の活動パターンを直接観察することで、マウスの感情のコード化に成功しました。
ここで最も注目すべきは、コード化された信号送信によって、強制的な感情の再生に成功した点にあります。
研究者たちは得られた「感情コード」を電気刺激でマウスの脳に与えることで、マウスの表情を強制的に笑わせたり、怖がらせたりすることに成功したのです。
これらの基礎データは、人間の感情のコード化にも応用できると考えられます。
しかし、あらゆる神経活動をコード化した先には、人間と同じコードで感情を表すAIとロボットが待っているでしょう。
人間と同じ感情コードを持つ機械は、心を持っていると言えるのでしょうか?
研究内容はドイツ、マックス・プランク神経生物学研究所のNejc Dolensek氏らによってまとめられ、4月3日に権威ある学術雑誌「Science」に掲載されました。
https://science.sciencemag.org/content/368/6486/89
AIを用いてマウスの表情読み取る

これまでは、マウスに感情があることがわかっていても、読み取ることはできないでいました。
マウスに長年接している研究者の一部は、顔からある程度感情がわかるという話もありますが、やはり精度と客観性に欠けており、定量的な実験には使えませんでした。
マウスの感情を研究するためには、まずマウスの表情を客観的な指標で読み取れるようにならなければなりません。
そこでドイツの研究者たちは、マウスに「痛み」「嫌悪感」「毒による苦しみ」「直接的な恐怖」「追い立てられる恐怖」そして「快楽」を与え、カメラを通して表情を記録し、AIに分析させました。
その結果、AIはマウスの表情をほぼ確実に判断できるようになりました。この研究結果を応用すれば、犬や猫の表情が小型カメラなどで判断できるようになるかもしれません。