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線虫には生まれる前から「早死に」を運命づけられた個体が存在する可能性 (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.04.22 Wednesday

前ページ「コロニー」のライフサイクル

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「早死」がコロニーを救っていた?

研究チームは、それを検証するため、コンピューターモデルを用いたシミュレーション実験を行いました。

モデル実験では、食料供給を制限した状態で、コロニーが成長する状況を設定しています。また、成虫の短寿命が、コロニー全体の繁殖率を高めるかどうかもテストされています。

その結果、短寿命や成虫の摂食率が低下することにより、コロニーの生存・繁殖率が高まることが判明しました。

画像
Credit: onlinelibrary

しかも、研究チームのモデル説明では、コロニーの全員ではなく、一部が短寿命になるというのです。

具体的には、食料が枯渇していく中で、上図のように、「子孫を残せる線虫」と「早死にする線虫(L1s)」に分かれます。

成虫(赤)になったL1sは、早死にすることで、前者の繁殖可能な仲間たちに食料を残します。つまり、一部の早死にが、コロニーの存続を可能にするのです。

この結果は、あくまでモデル上での可能性ですが、実証されれば、遺伝子的に早死が決定される初の生物となるかもしれません。

研究の詳細は、4月16日付けで「Aging Cell」に掲載されています。

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