南極に緑色の雪が…?グリーンスノウ現象の原因とは

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調査中のマット・デイヴィー氏/Credit: Sarah Vincent

の次は緑…?

現在、南極大陸の各地で、雪が緑色に変化するグリーンスノウ現象が見られ始めています。

これは抹茶シロップを盛大にこぼした…わけではなく、温暖化によって雪の中に潜む藻が繁殖していることが原因です。

それぞれの藻のサイズは微小ですが、集団で繁茂することで広大な範囲が緑化し、宇宙からも観測できるほどだといいます。

今回、ケンブリッジ大学と英国南極観測局は、人工衛星と南極観測所の画像データを用いるで、緑化がどれほどの範囲まで拡大しているかを明らかにしました。

温暖化と動物のフンで増殖

雪の中に潜む藻は「氷雪藻(ひょうせつそう)」と呼ばれ、光合成を通して大気中の二酸化炭素を吸収し、繁殖します。中には、赤や黄色に変色する氷雪藻もいます。

今回の緑化は、主に、南極大陸の西部にある「南極半島」の海岸沿いに見られました。南極半島は、ここ50年で最も急速に温暖化が進んだ南極大陸の場所として知られます。

調査によると、緑色の氷雪藻は、南半球の夏期間である11月〜2月にかけて、平均気温が摂氏0度を越えると一気に繁殖していました。

また、氷雪藻の繁殖は、温暖化だけでなく、同地に生息する鳥類や哺乳類の影響もあります。動物のフンが栄養価の高い天然肥料となって、成長を促進するのです。

今回確認された緑化の60%以上が、ペンギンのコロニーから5キロ以内にありました。他にカモメの営巣地やアザラシの上陸場所の付近でも、同様の緑化が見られています。

車87万台分の排気ガスを吸収していた?

研究チームは2017〜2019年にかけて、ESA(欧州宇宙機関)の人工衛星・センチネル2号と南極上の観測データを組み合わせて、繁殖範囲を調査しています。

その結果、1679個の氷雪藻のコロニーが確認され、その合計面積は約1.9㎢に及んでいました。

研究主任のマット・デイヴィー氏は「これは年間479トンの二酸化炭素を吸収していることを意味し、約87万5000台の自動車から排出される温室効果ガス量に匹敵する」と指摘します。

また、デイヴィー氏は「一般的に、南極の温暖化が進むと低地の薄い氷は溶けていくため、その場所にある氷雪藻はなくなっていきます。しかしそれ以上に、高地における氷雪藻の繁殖が急速に進むので、今後も南極の緑化は拡大していくでしょう」と推測します。

本調査では、緑色の氷雪藻だけに焦点を当てていますが、南極には他に赤色やオレンジ色の氷雪藻の繁殖も確認されています。

このまま温暖化が続けば、南極はカラフルな大陸に変貌するかもしれません。

 

研究の詳細は、5月20日付けで「Nature Communications」に掲載されました。

奇妙な「赤い雪」が積もる現象が南極で報告される

reference: scitechdaily / written by くらのすけ
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