都会キツネは人間の周囲での生活に適応している
調査対象となったのは、ロンドンとその周辺の田園地帯で見つかった何百ものキツネたちであり、彼らの頭蓋骨が研究されました。
その結果、都会に住んでいるキツネたちは、農村部のキツネたちに比べて脳のサイズが小さくなっており、鼻の形も異なっていました。
こうした変化は筋肉付着部位に関連していたため、生息地による摂食または認知の生体力学的要求の違いによって引き起こされた可能性があります。
都会のキツネは獲物を捕まえるために精神的な俊敏性を必要としませんし、短くなった鼻は、郊外の残り物を食べるのに便利なのでしょう。
パーソンズ氏は、都会のキツネに起きた変化が、犬や猫の家畜化のプロセスに光をさすものだと考えています。
犬猫家畜化の初期段階で発生したかもしれない環境の変化のいくつかは、おそらく都市のキツネが今日生きている条件と似ているのです。
つまり、人間の周囲(都会)での生活に適応することは、家畜化の準備となるのです。
しかし、研究チームは、現段階でロンドンのキツネに変化があったとはいえ、犬や猫などの家畜とは程遠い状態であることも強調しています。
今後、都会のキツネと人間の関係がどうなるのかは分かりません。
それでも、キツネがペットになることを望んでいる人は多いかもしれませんね。
この研究は6月3日、「The Royal Society」に掲載されました。
Skull morphology diverges between urban and rural populations of red foxes mirroring patterns of domestication and macroevolution
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2020.0763