9900万年前のコハクに「食事中の古代アリ」を発見! 現代アリにはない「クレーンゲームのような顎」がクール

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Credit: NJIT, Chinese Academy of Sciences and University of Rennes, France

ミャンマーで発見された約9900万年前の琥珀に、獲物をハントする真っ最中の古代アリが確認されました。

このアリは、白亜紀(約1億4500万〜6600万年前)に生息した「Haidomyrmecine」という種で、「地獄アリ(Hell Ant)」の異名を持ちます。

今回の琥珀は、地獄アリの捕食行動を保存したものでは初めてであり、きわめてレアな資料となります。

また調査の中で、現代のアリとはまったく違う地獄アリの凶暴性が明らかになったとのこと。

研究は、米・ニュージャージー工科大学、中国科学アカデミー、仏・レンヌ大学により報告されています。

垂直に開くアゴと硬質化したツノを持つ

地獄アリの存在が明らかになったのは約1世紀前のことで、それ以来、ミャンマー、フランス、カナダで約1億〜7800万年前の琥珀が複数見つかっています。

これまでに16種が確認されており、今回の個体は「Ceratomyrmex ellenbergeri」という種に属します。

不運にも餌食になったのは、絶滅したゴキブリの仲間である「カプトラプター・エレガンス(Caputoraptor elegans)」の幼生です。不幸中の幸いか、食べられる前にハンターもろとも樹液に飲み込まれています。

アゴが垂直方向に開く/Credit: NJIT

地獄アリの最大の特徴は、垂直に開く鎌のような大アゴです。現生のアリやその他の昆虫の大半は、アゴが水平方向に開くようになっています。

さらに、地獄アリは、すべての種ではないものの、触覚と別に硬質化したツノを持つものがいます。

今回の琥珀中の地獄アリにもツノが見られました。下は3D上に再構築した頭部です。

ツノ(青)とアゴ(赤)/Credit: NJIT

中にはノコギリ歯状にコーティングされたツノを持つ種もあり、獲物の胴体に突き刺すことで、内側の体液を採餌したとされます。

また、琥珀中の捕食行動からは、ツノとアゴを駆使して、相手をクレーンゲームのように挟み込む様子が確認されました。

地獄アリは、単独でも十分なハンティング能力を持っていたことが伺えます。

Credit: cell

この他に、地獄アリとその他の絶滅したアリ、および現生のアリを比較した系統分析によると、地獄アリは、アリの中でも最初期に誕生しら種類と判明しました。

地獄アリを含む初期のアリたちは、遅くとも6600万年前に絶滅したと考えられ、現生のアリに近付くにつれて、ツノはなくなり、アゴも横開きに変化していきます。

地獄アリは、実力も容姿も含めて、「地獄」と呼ぶにふさわしい存在だったのでしょう。

 

研究の詳細は、8月6日付けで「Current Biology」に掲載されています。

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reference: livesciencephys / written by くらのすけ
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