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放置すると電流が生まれる!?「電気泥」には細長いバクテリアが棲んでいた (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.23 Sunday

前ページ泥の中の硫化水素が酸化されて消失した

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長いケーブルをもつバクテリアを発見。酸素の多い泥へケーブルを伸ばす!?

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Credit:Lars Peter Nielsen

ニールセン氏の様々な実験の結果、泥の中には「ケーブルバクテリア」と呼ばれる長いケーブルを持つバクテリアが存在していると判明しました。

このバクテリアは最大5cmにもなるケーブルを酸素に富んだ上方に伸ばし、そこに電子を送っていたのです。

バクテリア付近に酸素が無くてもケーブルで酸素がある場所と繋げるため、酸化還元反応が起こっていたのです。

このケーブルはバクテリアのサイズを考えると驚異的な長さになります。米国ノースカロライナ大学チャペルヒル校の微生物学者アンドレアス・テスケ氏は「まるで私たち自身の代謝プロセスが18キロ離れたところに影響を与えるかのようだ」と語っています。

ニールセン氏は、このケーブルバクテリアの他にも同様の作用を起こす「ナノワイヤーバクテリア」も発見しています。

これらのバクテリアが生息する「電気泥」は確かに電流を生み出しており、実際におもちゃを動かすには十分な電力を供給しました。

ケーブルバクテリア、ナノワイヤーバクテリアについては未解明な部分が多く、これからも研究は続けられていくようです。

この研究は8月21日、「Science」に掲載されました。

空気から電気を生み出すフィルム型バッテリーが登場!タンパク質材料が水蒸気から電流を生成

reference: science / written by ナゾロジー編集部

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