長いケーブルをもつバクテリアを発見。酸素の多い泥へケーブルを伸ばす!?
ニールセン氏の様々な実験の結果、泥の中には「ケーブルバクテリア」と呼ばれる長いケーブルを持つバクテリアが存在していると判明しました。
このバクテリアは最大5cmにもなるケーブルを酸素に富んだ上方に伸ばし、そこに電子を送っていたのです。
バクテリア付近に酸素が無くてもケーブルで酸素がある場所と繋げるため、酸化還元反応が起こっていたのです。
このケーブルはバクテリアのサイズを考えると驚異的な長さになります。米国ノースカロライナ大学チャペルヒル校の微生物学者アンドレアス・テスケ氏は「まるで私たち自身の代謝プロセスが18キロ離れたところに影響を与えるかのようだ」と語っています。
ニールセン氏は、このケーブルバクテリアの他にも同様の作用を起こす「ナノワイヤーバクテリア」も発見しています。
これらのバクテリアが生息する「電気泥」は確かに電流を生み出しており、実際におもちゃを動かすには十分な電力を供給しました。
ケーブルバクテリア、ナノワイヤーバクテリアについては未解明な部分が多く、これからも研究は続けられていくようです。
この研究は8月21日、「Science」に掲載されました。
‘Electric mud’ teems with new, mysterious bacteria
https://www.sciencemag.org/news/2020/08/electric-mud-teems-new-mysterious-bacteria#