サメの巣窟は”若モノの保護区”に使われていた
これまで、化石から推定される古代サメの巣窟は2ヶ所のみ知られていました。
1つは、中南米のパナマにある約1000万年前のメガロドンの巣窟で、もう1つは、南米のチリにある約500万年前のホオジロザメの巣窟です。
今回のサウスカロライナ州サマーヴィルにある「チャンドラーブリッジ地層」は、3例目となります。
調査の結果、C.angustidensの歯は合計で87本見つかりました。
内訳は、稚魚の歯が3本(3%)、幼体の歯が77本(89%)、成体の歯が7本(8%)でした。
幼体が多いことから、この場所は高い確率でサメの生育場所に使われたと見られます。
当時のサウスカロライナ近海には多種多様な魚類が分布しており、狩りに不慣れな子どものサメにとっては打ってつけの環境でした。
研究主任のロバート・ブーセネッカー氏(チャールストン大学)は「深海に進出する準備ができていない若いサメを保護する場所になっていた」と指摘します。