アマミハナサキガエル(a)、フイリマングース(b)
アマミハナサキガエル(a)、フイリマングース(b) / Credit: 東京農工大学
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強敵マングースの侵入によって「カエルの逃走力」が急発達! 足が伸び、持久力がアップしていたことが判明

2021.01.28 Thursday
Rapid responses in morphology and performance of native frogs induced by predation pressure from invasive mongooses https://link.springer.com/article/10.1007/s10530-020-02440-0

「過酷な環境は人を強くする」と言いますが、カエルにも当てはまるようです。

東京農工大学の研究によると、奄美大島に生息するアマミハナサキガエルは、外来捕食者のフイリマングースにさらされた数十年間で、足の長さと持久力が急速に発達し、逃避能力がアップしていたことが判明しました。

この結果は、侵略的外来種の存在が、島固有の生物の性質を短期間で変えうることを示しています。

研究は、1月3日付けで『Biological Invasions』に掲載されました。

島育ちの生物は「逃げる」ことに興味ナシ?

奄美大島のような島嶼(とうしょ)環境には、群を抜いた捕食者がいないため、在来生物の多くは「逃げる」ことに関心がありません。

そのため、強力な外来種が島に侵入してくると、在来種はいとも簡単に食べられてしまうのです。

一方で、ちょっとでも逃げるのが上手ければ、生き残る確率は高くなり、その性質は世代間で受け継がれていきます。

これを受け、専門家たちは「外来捕食者にさらされた在来種は、新たな天敵に応じた逃避能力を発達させるのではないか」と考えました。

そこで白羽の矢が立ったのが、アマミハナサキガエルです。

アマミハナサキガエル(a)、フイリマングース(b)
アマミハナサキガエル(a)、フイリマングース(b) / Credit: 東京農工大学

奄美にはカエルの天敵としてヘビがいますが、ヘビは待ち伏せ型の捕食者であるため、追いかけることをしません。

そのため、カエルたちは瞬間的に逃げるだけで良かったのです。

ところが、1979年にフイリマングースが奄美大島に導入されます。

マングースは、島全体には拡大しなかったものの、導入地点の周辺で多くの在来種を減少させました。

予想されるカエルの行動変化
予想されるカエルの行動変化 / Credit: 東京農工大学

なんと言っても、彼らは追跡型の捕食者です。

そのため、カエルたちには、長い距離を逃げ続けて身を隠すまでの持久力が必要になります。

研究チームは、その影響がカエルに現れているかを調べるべく、現地調査を開始しました。

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