脳が大きいほど、あくびは長くなると判明
脳が大きいほど、あくびは長くなると判明 / Credit: Utrecht University
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あくびの長い生き物ほど、脳が大きいと判明!体のサイズは関係なし (2/2)

2021.05.08 Saturday

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あくびは集中力を回復させている証拠?

チームは、55種の哺乳類と46種の鳥類を撮影して、1250回以上のあくび映像を収集しました。

同チームのヨルグ・マッセン氏は「カメラを持って動物園を回り、それぞれの動物があくびをするのを檻の側で待ち構えていました。

かなりの長丁場で、忍耐力を要しました」と言います。

それから、YouTubeやFacebookで公開されている動物のあくびも可能な限り収集し、あくびの持続時間と、脳のサイズおよび神経細胞の数との関連性を調べました。

その結果、体のサイズとは関係なく、脳が大きくて神経細胞が多いほど、あくびの時間は長くなっていたのです。

脳が大きいほど、あくびは長い
脳が大きいほど、あくびは長い / Credit: Jorg J. M. Massen et al., Communications Biology(2021)

さらに、鳥類よりも哺乳類の方が、あくびの持続時間が長いことが分かりました。

これは鳥の方が体内の中心温度が高いことで説明できます。

要するに、鳥の体温は周囲との温度差が哺乳類より大きいため、鳥の血液は周囲の空気によって冷やされやすく、短いあくびで十分なのです。

鳥類はあくびが短い
鳥類はあくびが短い / Credit: Faculty of Science Utrecht University/youtube

脳は適切な温度で最もよく働き、何らかの理由で脳の温度が上がりすぎると、注意力や集中力が低下してしまいます。

この対抗策として、哺乳類と鳥類はあくびを進化させたと考えられるのです。

マッセン氏は「あくびは失礼な行動というより、体が集中力を維持しようと本能的に努力している証拠なのです」と述べています。

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