チベット高原の氷河から968種の「未知の微生物」を発見
チベット高原の氷河から968種の「未知の微生物」を発見 / Credit: canva
biology
Over 1,000 Bacteria, Viruses Trapped in Melting Tibetan Glaciers That Could Threaten Surrounding Population Discovered https://www.sciencetimes.com/articles/38692/20220711/over-1-000-bacteria-viruses-trapped-melting-tibetan-glaciers-threaten.htm Melting glaciers in Tibet have released 1,000 unknown species of microbes https://theinformant.co.nz/melting-glaciers-in-tibet-have-released-1000-unknown-species-of-microbes/ Never-before-seen microbes locked in glacier ice could spark a wave of new pandemics if released https://www.livescience.com/hundreds-of-new-microbes-found-in-melting-glaciers
A genome and gene catalog of glacier microbiomes https://www.nature.com/articles/s41587-022-01367-2

2022.07.14 Thursday

チベット高原の氷河から約960種の「未知の微生物」を発見!

ユーラシア大陸の中央に広がるチベット高原には、約4万6000の氷河があります。

そこには古代に閉じ込められたまま、タイムカプセルのように保存された数多くの微生物が潜んでいます。

中国科学院(CAS)の研究チームはこのほど、チベット高原の氷河サンプルを調査、968種の微生物を発見したと発表しました。

そして、そのうちの98%が未知の新種であると判明したのです。

研究チームは、温暖化による氷河の溶解で、未知なる細菌やウイルスが解き放たれることで、新たなパンデミックが発生するかもしれない、と懸念しています。

研究の詳細は、2022年6月27日付で科学雑誌『Nature Biotechnology』に掲載されました。

ナゾロジーチャンネル動画公開中

太陽までの距離は紀元前に測定されていた! 【必要なのは1本の棒と偉大な頭脳】

氷河サンプルから968種の微生物を発見!うち98%が新種

研究チームは、2016年から2020年にかけて、チベット高原の21カ所から河サンプルを採取し、中に閉じ込められた微生物DNA解析を行いました。

氷河の中の微生物群のゲノム配列を決定して、データベースにする研究は今回が初めてです。

このデータベースは「チベット氷河ゲノムカタログ(TG2G)」と命名されています。

そして調査の結果、チベット高原の氷河サンプルから968種の微生物が発見されました。

その大部分は細が占めていますが、他に古細菌や真菌も見つかっています。

(細菌と古細菌は、細胞核を持たない”原核生物”に分類され、真菌は、細胞小器官を持つ”真核生物”で、キノコやカビを指します)

さらに、この968種のうち、実に98%が未記載の新種であることがわかりました。

チベット高原
チベット高原 / Credit: canva

一方で、これらの微生物がどの時代のものであるかはわかっていません。

チームは、先行研究などの知見から、最大で1万〜1万5000年の間、氷河の中に閉じ込められていたものと見ています。

では、今回見つかった微生物群は、人類やその他の動植物に対し、潜在的な危険性を持っているのでしょうか?

次ページ人類に対する潜在的な危険性はあるのか?

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!