南米にいないはずの蝶を発見!一体どこから来たのか?
![ヒメアカタテハ](https://nazology.net/wp-content/uploads/2024/06/cdef41ae4c8d0dbe7bee7789a9900405-800x600.jpg)
研究チームがこの驚くべき「渡り」に最初に気づいたのは、2013年10月のことでした。
同チームの一人で、スペイン科学技術最高評議会(CSIC)の生物学者であるジェラルド・タラベラ(Gerard Talavera)氏が、南米の北東部・フランス領ギアナの大西洋岸にて、南米には存在しないはずの蝶を多数見つけたのです。
その蝶はタテハチョウ科に属する「ヒメアカタテハ(学名:Vanessa cardui)」という種でした。
ヒメアカタテハは蝶の中で最も分布範囲が広い種として知られますが、南米とオーストラリアの一部には生息していません。
![南米にはいないはずの「ヒメアカタテハ」をフランス領ギアナで発見](https://nazology.net/wp-content/uploads/2024/06/a3934be24f2608f6cdc4a131a96122ec-900x600.png)
これはタラベラ氏らに大きな謎を投げかけました。
可能性として考えられるのは主に2つ。
1つは北アメリカの方から南米に南下したパターン、もう1つは西アフリカの方から大西洋上を横断して南米にたどり着いたパターンです。
そこでチームはヒメアカタテハの旅の秘密を解き明かすべく、科学調査ミッションに乗り出しました。