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「時間が足りない」もドーパミン中毒?身近な快楽物質の危険性とは

2021.01.27 Wednesday

2020.01.02 Thursday

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Credit: depositphotos
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  • 合理的に行動するラットたちは、光と音による刺激を与え続けることにより、不利益な選択をしてでもより強い刺激を求めるようになった
  • 人間は身近な習慣によりドーパミン中毒になり、人生を不幸にしてしまう可能性がある

最近、「時間が足りない」「生産性が低下している」「幸福ではない」「満足感がない」と感じていませんか?もしかしたらそれは、ドーパミン中毒から来ているのかもしれません。

例えば、SNSは非常に便利ですが、私たちをドーパミン中毒にさせる危険もあります。やるべきことがあるのに、SNSについ触れてしまったり、「SNSの画面を開いて、気付いたら1時間経っていた……」というのも危険な症状のひとつ。

この兆候は、単に「SNSが好き」なのではなく、脳の「ドーパミンによる働きが原因」である場合があります。

ドーパミンはあらゆる依存症の原因です。依存症を避けるためにも、「快楽物質ドーパミン」の危険性について考えてみましょう。

依存症の背後にはドーパミンが…

現代では多くの人が何らかの依存症に悩まされています。ギャンブル依存症に陥っている人は、自分に不利益を生むと分かっていてもギャンブルをやめることが出来ず、自身と周囲を巻き込み不幸にしてしまうのです。

このような依存症の背後には、脳内物質であるドーパミンが大きく影響しているようです。快楽物質とも呼ばれているドーパミンですが、その本質は「快楽」というよりも「期待」です。脳は報酬が得られそうだと期待する時にドーパミンを分泌します。ドーパミンはわたしたちを興奮させ、何が何でも報酬を得るよう行動させます。

ドーパミンが分泌されている間、私たちは興奮してドキドキしているので、それを「快感」だと思ってしまうかもしれません。しかし、実際は、ただ「期待しているだけ」ですので、それが満足や幸福に結びつくわけではありません。

ドーパミンには強い興奮作用があるため、「期待させる」遊びを繰り返すことで、いつの間にか依存症になってしまいます。これは本当の幸福とは全くかけ離れています。

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