医者よりも正確?乳がんの誤診断を6%減少させるAIをGoogleが開発

artificial-intelligence 2020/01/04
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  • Googleは人間よりも正確に乳がんを発見できるかもしれないAIを開発した
  • 医師がAIを活用することにより、誤診断を大きく減らすことができる

乳がんは早期発見が非常に重要で、早期発見できれば完治する可能性が高い病気とされています。

乳がん検査では乳房をX線撮影するマンモグラフィーが用いられますが、熟練した臨床医であっても、約20%は見逃してしまうといわれています。

今回、こうした状況を打開する研究が報告されました。

Googleは、ノースウェスタン大学と英国の3つの医療機関の専門家と協力して、マンモグラフィーの撮影画像から乳がんを発見できるAIを開発。このAIは人間よりも乳がんを正確に発見できると考えられています。

研究の詳細は1月1日付けで、「Nature」に掲載されました。

International evaluation of an AI system for breast cancer screening
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1799-6

乳がん検査できるAIが開発される

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研究チームは、Googleが開発したAIに、米国と英国の約91,000人の女性らの臨床データから乳がんの症状を学習させました。

その後、両国の数千人の女性らの新たな乳房スキャンを用いて、乳がんを発見できるかテストしました。その結果、AIは、米国の標準的な臨床診療と比較して乳がんの誤診断を6%減少させました。さらに、乳がんの見逃しも9%減少させることに成功しています。

加えて、AIと6人の人間の放射線科医が500件もの同じテストを行いましたが、このケースでもAIのほうが優位な成果をあげることができました。

医師とAIのタッグが最強

a:人間は見逃したが、AIが発見できたケース   b:AIは見逃したが、人間が発見できたケース /Credit:statnews

では、こうしたAIの成果は人間よりもAIの方が優れている証明になるのでしょうか。

カルフォルニア大学の放射線医学および胸部医学チーフであるボニージョー博士は「AIが放射線科医や他の医師に取って代わるとは思わない」と述べています。

開発者のGoogleも、AIを単独で使用する準備はできていないと考えています。

実際に、AIのテストの結果では、AIが人間の見逃した乳がんを発見したケースもありましたが、人間がAIの見逃した乳がんを発見したケースもありました。AIは乳がん診断の特定の分野において人間よりも優れていますが、人間よりも完全に優位に立っているわけではないようです。

現段階での最善の方法は、医師がAIをセカンドオピニオンとして利用することです。そうすることで、互いの欠点を補い合うことができ、素早く最高の診断を下すことができます。

今後、医師とAIのタッグによって乳がんの誤診断は減少していくでしょう。

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reference: statnews / written by ナゾロジー編集部
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