「電子レンジに10週間」でダイヤモンドができる? 業界騒然の技術

chemistry 2018/04/11
Credit: Thomson Reuters

ダイヤモンドは永遠の輝きー。

そんな特別な輝きを放つダイヤモンドが、より手軽に作れるようになりました。

ここで紹介する「合成ダイヤモンド」は、よくある模造品とは異なります。天然のダイヤモンドと同じ物理構造を持ち、含まれる化学物質も同じなのです。

作り方は次のとおり。小さなダイヤモンドのかけらを、異なる量の炭素を含むガス(メタンが一般的)と一緒に電子レンジに投入。そして、プラズマの玉を作るためにガスを電子レンジ内で超高温で温めます。プラズマの中でガスが崩壊し、炭素原子が結晶化して、ダイヤモンドのかけらに集まり成長。そしてこの過程を10週間続けると、市場で売れるサイズのダイヤモンドが育ちます。時間はかかりますが、できたダイヤモンドは品質が高く、専門家でも機械を使わないと天然の物と区別がつかないほどです。

Credit: pakutaso / 「専門家でもお手上げ」のイメージ

現在800億ドルのダイヤモンド市場のうち、この「合成ダイヤモンド」が占める割合はわずかです。2014年に人工的に作られた合成ダイヤモンドは36万カラットであるのに対して、掘り出された天然のダイヤモンドは1億4千6百万カラット。しかし、2026年までには、合成ダイヤモンドのシェアは急増して2千万カラットにもなると言われており、すでに “ウォルマート社” などが在庫の確保に着手しています。

今はまだ、消費者は天然のダイヤモンドを好む傾向にあります。しかし、1カラットの値段が天然で1万ドルなのに対して合成だと6千ドル。安くて品質も高く、「天然ダイヤモンドの多くが紛争地域の資金源になっている」といった倫理的な問題もない。「天然ではない」こと以外、いいことづくめの合成ダイヤの需要はこれから益々上がっていくものと考えられています。

 

「ダイヤモンドが電子レンジで作れる」と聞くと、じゃあウチでも!と意気込んでしまいそうですが、どうやら家庭では難しい様子。10週間電子レンジをつけっぱなしだと、電気代だけで青ざめそうです。さらなる技術の進歩に期待しましょう。

 

via: Business Insider, bloomberg, sciencealert/ translated & text SENPAI

 

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