パラシュートの模様がバイナリコードになっていた。
パラシュートの模様がバイナリコードになっていた。 / Credit:NASA/JPL-Caltech
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火星探査機パーサヴィアランスに隠された暗号がわずか6時間で解読される! ネットユーザーの知恵にNASAスタッフも驚愕

2024.06.19 Wednesday

2021.02.25 Thursday

2月18日に火星への着陸を果たした探査機パーサヴィアランス。

その火星降下の様子が先日公開されましたが、そのとき探査機が広げたパラシュートの模様に秘密のメッセージが隠されていたようです。

この隠れたメッセージは、海外の電子掲示板RedditとTwitterのユーザーたちによって、公開からわずか6時間で解読されました

これには当のNASAスタッフも驚きを隠せないようです。

Internet sleuths solve secret message on Perseverance rover’s Mars parachute(space.com) https://www.space.com/perseverance-rover-mars-parachute-secret-message-solved ‘Dare mighty things’: NASA fans have spotted a hidden message on Perseverance’s parachute – but you’ll have to crack the binary code to find it(dailymail) https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-9291573/NASA-fans-spot-hidden-message-Perseverances-parachute-written-binary.html

パラシュートに隠された暗号

火星降下するパーサヴィアランスのパラシュート展開時の動画。
火星降下するパーサヴィアランスのパラシュート展開時の動画。 / Credit:Official NASA Video

火星へ降下する探査機パーサヴィアランスが開いたパラシュートを見て、なんだか変わった模様だなと思った人がいるかもしれません。

その人はかなり勘が鋭いといって良いでしょう。

実はこの模様には、NASAのチームがある暗号を隠していたのです。

海外電子掲示板RedditとTwitterのユーザーは、パラシュートの画像公開から数時間でここに何らかのコードが隠されていることに気づきました。

そして、赤と白の線がバイナリーコードになっているということに気がついたのです。

バイナリーコードとは、0と1を組み合わせた(2進数)機械が使う言葉です。

さらにユーザーたちは、この2進数が1から始まるアルファベットの位置を示していることに気づき、わずか6時間で、パラシュートに隠されたメッセージを明らかにしたのです。

各バイナリーコードとアルファベットの変換。
各バイナリーコードとアルファベットの変換。 / Credit:Twitter,Xavier@okleson

これらをつなぎ合わせて現れたメッセージは「Dare Mighty Things(あえて強大なもの)」です。

これはセオドア・ルーズベルト大統領が1899年の演説で述べた「たとえ失敗に阻まれようとも、あえて強大なものに挑戦する方がはるかに良い」という言葉の一節です。

この言葉は、NASAのジェット推進研究所の標語になっていて、研究所の壁にもこの一文は大きく描かれています

NASAジェット推進研究所の壁に刻まれているメッセージ。
NASAジェット推進研究所の壁に刻まれているメッセージ。 / Credit:NASA/JPL-Caltech

着陸ミッションの主任エンジニアであるアレン・チェン氏も月曜日の記者会見で、この言葉を引用していました。

また彼は「私たちはときどき誰かが見つけてくれることを期待して、メッセージを残すことがあるので探してみてください」と、秘密のメッセージがどこかに存在することも示唆していました。

しかし、まさか6時間で秘密の暗号が発見されて解読されてしまうとは、NASAの職員の多くは想定していなかったようです。

NASAジェット推進研究所のエンジニア、アダム・シュテルツナー氏は暗号が解読されたことを受けて、暗号の答えとともに驚きの声をツイートをしています。

「インターネットが6時間でコードを解読したようだ! ああ、インターネット、君にできないことはあるのか?」

ちなみに一番外側のリングは、同じ方法で解読すると意味をなさないためユーザーたちを困らせていましたが、あるユーザーがこれは座標であると気づきました。

「34°11’58” N by 118°10’31” W(北緯34度11分58秒×西経118度10分31秒)」これはNASAジェット推進研究所カリフォルニア本部の場所を示す座標です。

インターネットに集う叡智は、やはり侮れないものがあります。

なお、火星探査機はパーサヴィアランスは順調に稼働していて、ミッション開始3日目の2月21日には自身の周囲360度を撮影したパノラマ画像を地球に送信しています。

パーサヴィアランスが撮影した火星のパノラマ画像。
パーサヴィアランスが撮影した火星のパノラマ画像。 / Credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS/ASU

これはパーサヴィアランスの搭載したカメラ「Mastcam-Z」で撮影された142枚の写真を地球でつなぎ合わせて作られたもので、非常に高い解像度を持っています。

この写真は、ここまで拡大できるのだとか。

撮影画像の解像度の高さを示した一例。
撮影画像の解像度の高さを示した一例。 / Credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS/ASU

遊び心も満載なパーサヴィアランスのミッションは、これからが本番です。彼のもたらす新たな情報が楽しみですね。

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