カツオノエボシ
カツオノエボシ / credit: AC
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海の危険生物カツオノエボシの魅力|刺されたときの対処法も紹介

2021.10.02 Saturday

Morphology and development of the Portuguese man of war, Physalia physalis、Catriona Munro https://www.nature.com/articles/s41598-019-51842-1 Toxicology of Physalia’s (Portuguese man-o’ war) venom、J M Alam https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16414696/ 日本一のクラゲ天国田辺湾(24) カツオノエボシ、久保田 信 https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/180157

皆さん「カツオノエボシ」という生物の名前を聞いたことがありますか?

見た目が特徴的で綺麗ですが、毒を持つ危険生物として有名ですね。

実は水族館でもよく見かけるあのふわふわ海中を漂う半透明の生物の仲間です。

今回は、そんなヘンテコ生物「カツオノエボシ」を紹介します。

カツオノエボシってどんな生き物?

カツオノエボシは刺胞動物(しほうどうぶつ)、ヒドロ網、クラゲ目に属しています。

ヒドロ虫網に属さないクラゲもいますから「クラゲであって、クラゲでない」と言える存在です。

刺胞動物は、触手に針があり、相手を刺すことができます。

ヒドロ虫は、刺胞動物の中でも作りが単純で、身体はほぼ(ギリシャ語でヒドロ)で構成されていますが、複数匹が集まって1つの個体を形成する事がよくあります。

Three green hydra on water plant on black
Three green hydra on water plant on black / credit: depositphotos

しかし、カツオノエボシのクラゲらしくない形、いかにも毒々しい見た目、色。

海岸に打ち上げられていると、キレイな風船に見えること。

刺された動物が、毒で苦しむ事例があったとのこと。

などから「ヘンテコ危険生物」として取り上げられることが多くなっています。

こんなに変な生態を多く持つカツオノエボシですが、実はクラゲらしく単純な点もたくさんあるんです。

カツオノエボシの生態

カツオノエボシは、他のクラゲ類と同じように、自分自身で泳ぐ能力はほぼなく、風や波の流れに頼って移動します。

水族館で「クラゲ類は自由気ままそうで、良いな」と感じるのも、この“ただ身を任せて漂っている優雅な風貌”から来るものでしょう。

優雅に泳ぐクラゲ
優雅に泳ぐクラゲ / credit:イメージズラボ

ちなみに「水の中を漂っているもの」がプランクトンの定義だと、知っていましたか?

つまり、大きい身体のクラゲであっても、プランクトンの仲間です。

ほとんどのプランクトンは小さい微生物であるものの、「大きい身体の生物をプランクトンと呼んでも間違いではない!」ということを豆知識として覚えておくと面白いですね。

またカツオノエボシは、獲物を自分で捕獲し食べる能力はあります。

刺激を受けると毒針を発射し、小魚や甲殻類を触手で捕獲し、取り込むようにして食べるのです。

さらにカツオノエボシ一匹は、厳密には一匹ではありません!

カツオノエボシは「ヒドロ虫」がたくさん集まって1個体として構成されており、こういった状態を生物学的にはヒドロ虫の「群体」であると表現します。

群体のイメージ
群体のイメージ / Credit: Free Photo

ヒドロ虫は、平均10cm程の胴や浮袋になる群体、平均10cm程の触手になる群体、栄養を取り込む群体、生殖器になる群体など様々な役割に分かれています。

役割が触手になったヒドロ虫だけ、なんだか忙しそうな気がしますね…。

カツオノエボシの特徴

プカプカ漂い、たまに相手を刺すだけのカツオノエボシですが、注目されることが多いのは、その見た目のインパクトからでしょう。

最大の特徴である「浮袋」の中身は、ほぼ二酸化炭素で、この浮き袋に頼って浮遊しています。

他のクラゲは丸いのに対し、三角形をしている点は個性的ですよね。

・この三角形が、和装の「烏帽子」に似ていること
・魚の「カツオ」と同時期に到来すること

以上のことからカツオノエボシと命名されました。そのまんまなネーミングなんです。

烏帽子
烏帽子 / credit: AC

そんな優雅な見た目をしていますが、安易に触れると危険な目に合うことがあります。次は、その危険性に関して解説していきます。

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