毎日30分のゲームで「統合失調症」が改善できると判明!
毎日30分のゲームで「統合失調症」が改善できると判明! / Credit: canva
psychology

【原点にして頂点】マリオ64をプレイするだけで「脳の状態」が良くなる! (3/3)

2024.07.12 Friday

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スーパーマリオで統合失調症が改善した!

今回の実験では、健康な一般成人82名統合失調症の患者95名を対象としました。

被験者はそれぞれ

・3Dの「スーパーマリオ64」をプレイする群

・2Dの「New スーパーマリオブラザーズ」をプレイする群

・電子書籍を読むだけの対照群(13冊から好きなものを1冊選ぶ)

の3つにランダムに振り当てられています。

被験者はこのグループ分けのもと、毎日30分間、計8週間にわたってマリオをプレイするか、電子書籍を読んでもらいました。

また実験前後には認知機能やメンタルヘルスの程度を評価し、磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いて、の接続性の変化も測定しています。

実験の手順イメージ
実験の手順イメージ / Credit: Maxi Becker et al., Translational Psychiatry(2024)

その結果、2Dと3Dの違いに関わらず、マリオをプレイした被験者は、電子書籍を読んだだけの被験者に比べて、持続的な注意力や集中力が有意に高まっていることが観察されました。

この認知機能の改善は、記憶や実行機能に関連する脳領域(海馬と前頭前野)の接続性の高まりと関係していたといいます。

さらに注目すべきことに、マリオをプレイした被験者たちは喜びの消失や意欲の低下といった「陰性症状」の減少も示していたのです。

このようにマリオを1日30分(8週間)プレイするだけで、統合失調症の認知機能とメンタルヘルスが改善できることがわかりました。

スーパーマリオで統合失調症が改善した!
スーパーマリオで統合失調症が改善した! / Credit: canva/ナゾロジー編集部

研究者はこの結果を受けて次のように指摘します。

ゲームに特有の目標志向が、脳の神経ネットーワークの接続性を高めるとともに、患者の自己効力感(与えられたタスクをうまくこなし、予想される状況の変化に対処できるという自信)の向上につながった可能性があります」

コストや手間のかからない統合失調症の新たな治療アプローチとして「ゲームで遊ぶ」が役に立つかもしれません。

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【原点にして頂点】マリオ64をプレイするだけで「脳の状態」が良くなる! (3/3)のコメント

嶺上皇帝ペンギン

3Dのマリオ64が脳に良いのは有名だけど、2Dでも同じように効果がある分野がやっぱりあるんだ。
そうなるとゲームによって様々になるんだろうね。
すごく面白い。

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