犯罪捜査のプロでも見分けがつかない「人間とコアラの共通点」とは

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Credit: ripleys

指の「指紋」は、モノをつかむ時のすべり止めや、指先の感覚を鋭くする役割を持っています。

ふだん意識することはないでしょうが、触ったモノの状態を細かく察知できるのは指紋のおかげなのです。

しかし意外と言うべきか、指紋を持つ動物はほとんどいません。

ヒトを除けば、ゴリラやチンパンジーなどの霊長類とイタチ科のフィッシャー、そしてコアラだけなのです。

特にコアラの指紋はヒトのそれに酷似しており、犯罪のプロでも見分けがつかないといいます。

なぜコアラだけ?

ゴリラやチンパンジーはそもそもヒトに近い生物なので、指紋があっても驚きはありません。

しかし、コアラがなぜ指紋を持っているのかは謎に包まれています。

コアラは有袋(ゆうたい)類と呼ばれるグループに属していますが、その中で指紋を持つのは彼らだけなのです。他のカンガルーやオポッサム、ウォンバットにはありません。

ヒトを含む霊長類と有袋類が別れたのは、およそ7000万年前であり、それ以来、有袋類は指紋を持たない道に進みました。ところが、なぜかコアラだけがいつの間にか指紋を持つようになったのです。

コアラ(左)とヒト(右)の指紋/Credit: ripleys

しかも、ヒトとコアラの指紋は、渦巻きやループ構造などが一緒で、見分けがつかないほど酷似しています。なんとプロの鑑識官でさえ、電子顕微鏡を用いて精査しても識別できないことがあるそうです。

専門家のマチェイ・ヘンネベルク教授(オーストラリア・アデレード大学)は、「コアラの指紋が犯罪現場を混乱させる可能性もあるため、警察はその可能性も視野に入れておくべきだ」と指摘しています。

冗談にも思えますが、オーストラリアなら確かにあり得る話かもしれません。

犯人は…コアラ⁈

近年の研究では、コアラが、霊長類よりもずっと最近に、独自の仕方で指紋を発達させたことが示唆されています。

指紋は、指先や手のひらに触れるモノの情報を与え、掴む、握る、登るといった動作の助けとなります。

コアラは、ユーカリの木に登って、小枝をつかんだり、葉っぱをむしり取ったりと、手をよく使う動物です。

このことから、コアラの指紋は、人類やその他の霊長類と同様に、木登りの習慣を持ったことで誕生したとも考えられるでしょう。

コアラの手のひら/Credit: ripleys

その一方で、コアラが犯罪に手を染めることは防がなくてはなりません。

もしコアラが万引きなど始めたら、よく似た指紋を持つ人にあらぬ疑いがかかるかもしれませんから…。

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reference: ripleys / written by くらのすけ
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