鳥の巣にうんちがないのはなぜ?秘密はヒナの「天然オムツ」にあった

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鳥の巣にフンがないのはなぜ?
鳥の巣にフンがないのはなぜ?/Credit: thekidshouldseethis

 

みなさんは「鳥の巣」の中をのぞいたことがあるでしょうか。

多くが木の上や高架下にあるので中々見る機会はありませんが、巣の中には孵化前の卵やヒナがいます。

親鳥が運んでくるエサをわれ先にと取り合うヒナの姿はとても愛らしいですが、不思議なことがひとつあります。

それは巣の中にフンがないということです。

ヒナだって食べたらうんちをするので、巣は汚れるはず。しかし、鳥の巣はいつも清潔に保たれているのです。

うんちは一体どこに消えているのでしょうか。

ヒナは体内に「天然のオムツ」を持っていた

この疑問について、米・ポートランド州立大学の鳥類学者マイケル・マーフィー博士が詳しく答えています。

マイケル・マーフィー博士
マイケル・マーフィー博士/Credit: thekidshouldseethis

巣の中の卵はおよそ2週間で孵化し、一度に複数羽のヒナが誕生します。生まれたばかりのヒナは目も見えず、空も飛べないので、さらに2週間を巣の中で過ごします。

ヒナの時期は天敵に狙われやすいので、毎日たくさんのエサを食べて、早く成長しなければなりません。

よく食べるのでうんちも出ます。この排泄に驚くべき秘密が隠されています。

なんとヒナは体内に嚢(ふんのう、fecal sac)」という器官を持っており、うんちを薄い膜で包んで袋状にしてから排泄していたのです。

うんちはパック詰めされていた
うんちはパック詰めされていた/Credit: thekidshouldseethis

親鳥は、ヒナがパック状のフンを出す瞬間に口でキャッチして、巣の中に落ちないようにします。

いわば、ヒナは体内に「天然のオムツ」を持っており、自動でうんちを包んでから排泄していたのです。

うんちを出す瞬間にキャッチ
うんちを出す瞬間にキャッチ/Credit: thekidshouldseethis

親鳥はヒナのうんちを食べていた⁈

出されたフンは、親が巣から遠く離れた場所まで運んで捨てているのですが、そのまま食べてしまうこともあります。

この行動について、マーフィー博士は「ヒナは食べたものを完全に消化できていないので、フンの中には水分や栄養が詰まっており、れっきとした栄養源になるから」と説明します。

確かに、親鳥はヒナの世話で忙しいので、自分の食料を探している暇はありません。そうなると、ヒナのフンを一食にカウントしてしまうのが得策なのでしょう。

そのまま食べてしまうことも
そのまま食べてしまうことも/Credit: thekidshouldseethis

一方で、マーフィー博士は「捨てるフンと食べるフンをどうやって選別しているかはよく分からない」と話します。

もしかしたら、口で加えたときに「これは栄養になる」とか「とても食べられたものじゃない」とかを瞬時に判断しているのかもしれません。

鳥の世界でも育児は大変です。

巣の中にフンをしない理由とは

鳥の中には糞嚢を持たない種もたくさんいますが、それでも巣をフンまみれにすることはありません。

例えば、「ミサゴ(英: osprey)」というタカ目の鳥は、ヒナが自らお尻を巣の外に突き出して、勢いよくうんちをピュッと飛ばします。

ヒナにとって、巣の外はすべてトイレというわけです。

糞嚢を持たないミサゴ
糞嚢を持たないミサゴ/Credit: thekidshouldseethis
ヒナが自分で巣の外に出す
ヒナが自分で巣の外に出す/Credit: thekidshouldseethis

それから巣を清潔に保つ理由について、マーフィー博士は「天敵に襲われないため」といいます。巣をフンまみれにしておくと、臭いからヒナの居場所がバレてしまいます。

見つかってしまうと、ヒナが助かる見込みはありません。また、巣を清潔にしておくことで、フンの中の有害な細菌からヒナが病気なるのを防いでいます。

ヒナを立派な成鳥に育てるには、うんちのお世話がとても大切なのです。

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