人間の3000倍の細胞を持つシロナガスクジラはがんにほとんどならない
人間の3000倍の細胞を持つシロナガスクジラはがんにほとんどならない / Credit:Depositphotos
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巨大なクジラはがんにならない!? 未解決問題「ピートのパラドックス」が起こる理由とは (4/4)

2021.01.27 Wednesday

2020.12.02 Wednesday

Kurzgesagt https://www.youtube.com/watch?v=1AElONvi9WQ

「がん」を殺す「がん」!?ハイパー腫瘍とは?

さらにハイパー腫瘍と呼ばれる「腫瘍の腫瘍」も、ピートのパラドックスを解決するうえで重要な仮説だと言われています。

がん細胞は本質的に不安定なので変質し続けます。

そのため増殖を続けることで、これまでとは異なった性質の細胞が生まれることもあります。この突然変異によって生まれた細胞はがん細胞の敵として振舞うのです。

つまり、がん細胞が健康な細胞を攻撃するようになったのと同様に、がん細胞を攻撃する新たながん細胞が生まれてしまうのです。

腫瘍にできる腫瘍「ハイパー腫瘍」
腫瘍にできる腫瘍「ハイパー腫瘍」 / Credit:Kurzgesagt

まさに腫瘍にできた腫瘍です。これをハイパー腫瘍と呼びます。

このハイパー腫瘍は元のがん細胞を殺しますが、その後は健全な細胞も攻撃しはじめます。

しかし、このハイパー腫瘍にもいずれ新たな腫瘍が発生し攻撃されることになります。

大型動物の体内では、この「がん」が「がん」を殺すプロセスが繰り返されており、結果として深刻化に至っていないというのです。

さて、ピートのパラドックスを解明する3つの仮説をご紹介しました。

大型動物の発がん率が高くないのは、これらの1つが答えなのかもしれませんし、3つの要素が複合した結果なのかもしれません。

今後も研究者たちによってピートのパラドックスを解明する取り組みは続けられていくでしょう。

将来、この秘密を完全に解明することによって、がん治療の新たな扉が開かれるかもしれません。

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